東北楽天ゴールデンイ―グルスの辰己涼介外野手が2月7日、沖縄・金武キャンプで初のブルペン投球を行い、152km/hをマークした。辰己は昨年の契約更改で、今季の目標として投手としての「25勝0敗」を目標に掲げていた。
「25勝0敗」とは、2013年に田中将大(現巨人)が記録した24勝0敗を意識してのもの。誰もが、本気にとらえなかったビッグマウスぶりだったが、自らの右腕で実現の可能性を証明してみせた。
チーム最年長の岸から背番号11のユニホームを借りてブルペンに登場。「見栄えのいい番号で(マウンドに)立ちたかった」とまずは形から入った。三木谷浩史オーナーと石井一久GMを前に、伊志嶺ブルペン捕手を相手に1球ごとに「オリャ~!」と雄たけびを上げて投球。4球目に初めてストライクゾーンに。149km/hを計測すると「あと1キロ!」。
そして、5球目。低めの真っすぐがの伊志嶺捕手のミットに決まると、三木谷オーナーが「出た! 152km/h!」と叫んだ。
二刀流プランは、キャンプイン直前に三木肇監督から「野手の練習をしてもらう」と封印された。だが「オーナーも平等な競争というところを言われている」(石井GM)と、楽天グループ総帥の経営哲学に沿う形で「トライアウト」の機会が用意された。全7球でストライクこそ1球だけだったが、辰己は「試合になったら(球速も)もっと出る。1次審査はたぶんクリア」と胸を張った。
ところが…。石井GMの判定は「二刀流契約は当面見送る」とまさかの不合格。三木谷オーナーは「二刀流契約をしたら?」と前向きだったというが、GMとして「投げてみたら『4球肩』だった。4球で1イニング終われるのか不安」とスタミナ不足を指摘した。
不合格を知らされた辰己は「マジっすか。152(km/h)投げてもダメなんですか」とぼう然。それでも、めげずに「チームが困った時に投げられる準備をしたい」と前向き発言。「僕は変化球ピッチャーなんで。球種はめちゃくちゃ多彩。ただ、何を投げるかは言えないです」と、オール直球だった今回とは違う投球スタイルでの再挑戦を予告した。
辰己と言えばオフの表彰式で三変化をしたり、ゴールデングラブ賞の表彰式では顔まで金色に塗り話題を集め、三変化はエポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」でカードになった。今回の辰己の152km/hはカードになるだろうか?。投打の二刀流は?。どちらも実現してほしい。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。
追記)辰己のブルペンでの投球は「エポワン」でカード化されたため、画像を更新しました。