サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」は2月28日、「シーリーブスカップ」最終戦で米国を2-1で下し、3連勝で優勝を飾った。ニルス・ニールセン監督の初陣となった大会で最高のスタートを切った。
豪州、コロンビアを撃破して臨んだ最終戦。開始直後の2分、およそ3年半ぶりに代表に復帰し、今大会、初先発となった籾木結花(レスター)が司令塔の長谷川唯(マンチェスターC)からのスルーパスに反応し、相手の守備をかわして左足で先制弾を決めた。
14分に素早いパスワークからアーリー・セントナーがゴールを決め、同点とされたが、後半5分には、長谷川のフリーキックから相手のゴールキーパーがはじいたボールを途中出場の古賀塔子(フェイエノールト)が押し込み、勝ち越した。
日本は、守備でも人数をかけて相手のボールを積極的に奪いにいき、米国のチャンスを潰し、逃げ切った。
なでしこジャパンはこれまで、世界ランキング1位の米国と40回、対戦し1回しか勝っていない。2011年の女子ワールドカップでアメリカとのペナルティーキック(PK)戦を制して優勝したが、PK戦での勝利は記録上、引き分け。昨年のパリ五輪の準々決勝で、延長戦の末に惜敗。勝利したのは、2012年にポルトガルで開かれた国際大会以来13年ぶりとなった。
「勇敢に戦ってくれた。チームとしてまとまって戦ったことがよかったと思うし、怖がらずにパスを回してくれた。チームの努力が実った。米国のような勝者のメンタリティーにあふれている強いチームを倒すのは私たちが目指しているところだ。これからもっとすばらしいチームを作りたい」とニールセン監督は話した。
「3年半ぶりの代表で気持ちが入っていた。チームになじめるよう、短い期間ではあったが、ほかのメンバーのことを知ったうえでピッチに立った。自分のところにボールを出してくれるという信頼感があったので、信じて走った。このメンバーでアメリカを倒したことはすごく意味がある」と籾木はうなずいた。
「五輪で負けたチームに新監督になってすぐ勝てたことがうれしい。2対1で勝っている状況で相手が前から来る中でも守備の特長を出せた。ワールドカップで優勝という目標を持ってこのチームはスタートしたので、優勝を目指して所属チームに戻っても成長できるように頑張りたい」と古賀は意欲をみなぎらせた。
「再び、世界一になる」という目標を掲げるなでしこジャパン。彼女たちのトレーディングカードにも大きな予感を感じさせる価値ある米国からの勝利、そして、優勝だった。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。