来年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の出場権をかけたアイスホッケー女子の最終予選が8日、北海道苫小牧市で行われ、日本はポーランドに6-0で勝利。勝ち点を6に伸ばし、第3戦を残して最終予選の1位が確定し、4大会連続5回目の五輪出場を決めた。全競技を通して日本勢で最初となるミラノ・コルティナ大会の出場権獲得となった。
最終予選には、日本(世界ランキング7位)、中国(同12位)、フランス(同13位)、ポーランド(同20位)が総当たりで激突。1位のみが五輪の出場権を獲得できる。日本は2月6日の初戦でフランスを7-1で下し、この日の第2戦でポーランドと対戦した。
延長戦に入る前に勝利すれば、五輪出場が決まる状況の中、日本は第1ピリオド開始直後から好調の攻撃陣が勢いよく攻め込み、5分すぎには、前田涼風が先制ゴール。このあと11分すぎに志賀紅音がゴール前でこぼれたパックを落ち着いて決めて2点目。さらに前の試合で2得点を挙げた輪島夢叶と、フォワードの大黒柱、浮田留衣がそれぞれ2得点をあげ、第1ピリオドだけでリードを6点に。そのまま、逃げ切って、五輪切符をつかんだ。
キャプテンの小池詩織は「今まで張り詰めていたが、少しほっとした。これから1年間の準備期間があるので、そこでもう一度レベルアップできるようみんなとチーム作りをしてまた頑張っていきたい」と話した。「初戦は少し硬いプレーが続いていて、全然チームに貢献できなかった。きょうは落ち着いて視野を広げていつも通りにプレーしようと心がけた。それが得点につながってよかった」と浮田も続けた。
「1試合目ではシュートよりもパスの選択肢が多かった。きょうはそこを切り替えてゴールにどんどん向かっていくことを意識した。第1ピリオドに点を決められたのはよかったと思う。課題や反省点がまだ多くあるので、あすは100%を出し切りたい。まだまだ自分のすべきことがたくさんあるので、オリンピックまでにもっと成長できるように頑張りたい」と志賀は話した。
得点力不足という課題を抱える中で臨んだ最終予選で若手が成長を見せ、2試合で合計13得点をあげる攻撃力を発揮した。その象徴が22歳の輪島だった。「点数を取るということを個人的に意識して取り組んできたので、この大舞台で結果を出せてよかった。これを自信にして、来年のオリンピックでもレベルアップしてチームに貢献できる選手になりたい」と話した。
前回の北京大会では、メンバー入りを逃したが「ずっと得点力が課題と周りから言われてきた。個人的に意識を180度変えて、得点をあげるために練習からシュートを打つことを心がけてきた」と話した。試合後も、輪島は五輪での得点を決める場面が想像ができるか、と聞かれ「できます」と笑顔で答えたひと言は力強かった。
アイスホッケーのトレーディングカードの文化のなかった日本ではNHLのトレカも海外に比べれば、人気は高くない。それでも、エポック社のTEAM JAPNカードや、BBMのオールスポーツカードが女子日本代表のアイスホッケーを取り上げるようになり、認識されるようになってきた。ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪でのTEAM JAPANトレカもオンデマンドカード「EPOCH-ONE」、ボックス・パック商品が期待される。ただし、メダリストだけがノミネートされることが濃厚なため、アイスホッケー日本女子がカードになるには、初のメダル獲得が条件になる。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。