的場文男騎手(東京都騎手会)が引退する。TCK特別区競馬組合(大井競馬場)が2月14日、発表した。17日に会見が予定されている。
68歳のレジェンドは左膝じん帯の損傷で昨年2月13日から休養していたが、7月8日に5か月ぶりに復帰。その初戦となる大井3Rで3着と奮闘も、故障が再発した。
以降の騎乗がないままでの引退となったが、的場は以前から「復帰初日に乗って膝に違和感があった。年齢的なものもある」と、負傷した膝への不安を考え、引退を示唆していた。
1973年10月16日にデビュー。地方通算4,3497戦7,424勝。大井競馬リーディングを21回、地方競馬全国リーディングを2回獲得。2018年8月12日には地方通算7,152勝を挙げ、それまで佐々木竹見さんの保持していた日本記録を17年ぶりに更新した。
51年5か月の騎手人生で、重賞は2007年帝王賞・Jpn1(当時)をボンネビルレコードで制すなど154勝。2018年東京記念・SIをシュテルングランツで制し、自身の持つ最高齢重賞制覇の記録を62歳0か月12日に更新するなど、数々の記録を樹立。「大井の帝王」と呼ばれ活躍した。
的場はTCK特別区競馬組合を通じてコメントを発表。「皆さま、長い間応援していただき、本当にありがとうございました。正直なところ、まだまだ乗りたい気持ちはありますが、昨年2月に膝をケガし、一度騎乗を再開しましたが、膝の影響もあって思うような騎乗ができず、体力的にも限界を感じるようになり、騎手としてのキャリアに終止符を打つ決断をいたしました。最後の騎乗を皆さまにお見せできず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。しかし、これまで多くの素晴らしい馬たちとともに走り、多くの思い出を作ることができました。皆さまの温かい応援が私の力となり、支えになりました。これからは、新たな道を歩むことになりますが、みなさまの応援を胸に、次のステージでも頑張っていきたいと思います。本当にありがとうございました」とした。
的場は競馬トレーディングカードでも「帝王」だった。BBMのオールスポーツカード「Infinity」でもカード化され、サインカードも作られた。引退選手を集めた来年のBBM「惜別」にも収録される可能性がある。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。