ロサンゼルス・ドジャースの佐々木朗希投手が3月11日、米アリゾナ州グレンデールでのクリーブランド・ガーディアンズとのオープン戦に先発。4回を1安打無失点に抑える快投を見せた。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は試合後、19日のカブスとの開幕シリーズ第2戦(東京ドーム)に佐々木を先発起用することを発表した。
前回のシンシナティ・レッズ戦での初登板は3回を2安打無失点。この日で無失点は7イニングまで延びた。「確実に良くなっている。それでも、まだまだな部分もあるので、シーズン中も改善しながらやっていきたい」と冷静に振り返った。球数はわずか41球。ブルペンで15球を投げて、予定の球数をこなした。
スプリットはこの日も昨季のメジャー平均1302回転の半分以下となる平均575回転を計測。40インチ(約101センチ)以上の落差に加え、軌道も左右に振れた。
最後の実戦登板だった。キャンプではマイナー相手のライブBP(実戦形式の打撃練習)に2度、登板。オープン戦の登板が2度だけ。それでも不安はない。「そこ(メジャー)で活躍するためにやってきた」と言い切った。
この日の直球の球速は最速97・4マイル(約156・7キロ)。レッズ戦での99・3マイル(約159・7キロ)よりは落ちたが「悪い癖があった。開幕前の今のうちに出てくれてよかった。(それは)下半身の使い方。フォームの意識の中のちょっとしたズレ」と話した。
試合後にはうれしい知らせも届いた。ロバーツ監督が試合後、「山本が第1戦、佐々木が第2戦に登板する。完璧なストーリーになる」と明言。「きょうは非常に効率的だった。(先発で)5イニングを投げる準備ができている。彼のスプリットはメジャーで通用している」と、日本からやってきたスーパールーキーをメジャーデビューのマウンドに送り出す。
3月11日は忘れられない日だ。14年前の東日本大震災では家族を失った。その2011年に野球を始めた。2023年のこの日、WBCでは侍ジャパンデビューを飾った。2025年のこの日も思い出深い日になった。
佐々木のメジャーデビュー決定に合わせ、トレーディングカードにも動きがあった。カードの相場動向を追いかける米国のサイト「SPORTS CARD INVESTOR」では、佐々木のカードが登場してきた。最も高騰したカードをランク付けするこのサイトで佐々木のカードは最近、ランク外になっていたが、この日、TOPPSのオンデマンドカード「TOPPS NOW」のWBCカードが275位、「2021 NPB」のレギュラーカードが549位に浮上した。米国で流通しているスポーツカードに限らず、ノンスポーツカードまですべてのトレカ、ゲームカードが調査されるこのサイトにランクインすることだけでスゴイことなのだ。
ちなみに、この「TOPPS NOW」の佐々木カードは、WBCでの侍ジャパンデビューを果たした「3・11」の写真が使われている。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。