ロサンゼルス・ドジャースとシカゴ・カブスが激突する「MLB TOKYO SERIES」(開幕戦=3月18、19日・東京ドーム)を前に、NPBの読売ジャイアンツ(巨人)、阪神タイガースとドジャース、カブスが対戦するプレシーズンマッチが開催。ドジャースの大谷翔平投手は3月15日、巨人戦の第2打席で右越え2ランを放った。試合はドジャースが5-1で勝利した。
「1番・DH」で先発出場した大谷は先発・戸郷翔征に対して第1打席は四球。そして、3回無死二塁、コンフォートの先制ソロなどで2点をリードして迎えた第2打席。初球の落差の大きなカーブをすくい上げた。初見ではとてもとらえられない変化球を第1打席で見切っていたのか、それとも、これこそが大谷の天性の才能なのか。
大歓声の中、打球は東京ドームの右翼席中段まで飛んだ。「いい角度で上がったので、ちょっと(バットの)先でしたけど、入るかなと思いました。エキシビションでしたけどなんていうんですかね、久々に帰ってきたなという感じがした」
日本でのプレーは23年3月16日のWBC準々決勝・イタリア戦以来730日ぶり。本塁打は同12日の1次リーグ・オーストラリア戦以来、734日ぶりだった。米実況は打球速度105マイル(約169キロ)、飛距離391フィート(約119メートル)、角度32度の放物線を、完璧な長距離弾を指す「Titanic(タイタニック)」と表現した。
ベンチに帰るとテオスカ―・ヘルナンデス外野手から、すっかりお決まりの儀式になった「ひまわりの種シャワー」を浴び、満開の笑顔となった。この時ばかりは、まるで、ドジャースタジアムでの出来事のようだった。
開幕2連戦はTOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」でカード化されることがすでに発表されている。それでも、劇的な凱旋アーチは、残念ながらトレーディングカードになるのは難しそうだ。このプレシーズンマッチに関する肖像権はNPBにあるのか、MLBにあるのか、いろいろと事情がありそうだ。
今から28年前、「PINACLE」がPANINI社のブランドになっていない時代、「PINNACLE INSIDE」という缶に入ったカードが発売された。そこには、前年の1996年の日米野球で来日したMLB選抜チームの様子をカード化したサブセット「EAST MEETS WEST」が封入された。この大会の肖像権の所在も微妙だが、このサブセットには、ある日本人女性が写り込んでいて衝撃的だった。
カードコレクターなら知らない人はいない、イチローさんの弓子夫人である。、西武球場(現ベルーナドーム)の試合前にアレックス・ロドリゲスにインタビューするTBSアナウンサー(当時)の旧姓・福島弓子さんが写っているのだ。
PANINI社やLEAF社がしれっとカードにしない限り、プレシーズンマッチでの大谷の凱旋アーチは幻の一発になるだろう。開幕2連戦での一発を待つしかない。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。