大谷翔平投手（ロサンゼルス・ドジャース）が4月2日、ドジャースタジアムでのアトランタ・ブレーブス戦で今季3号となるサヨナラ本塁打。チームは6-5で開幕8連勝を飾った。

5-5の9回1死、マウンドにはエンゼルス時代、勝利のバトンを渡した守護神、イグレシアスがいた。その初球の88.9マイル（約143.キロ）のチェンジアップをとらえると、打球は大歓声の中、102.マイル（約165キロ）、31度の角度で上がった。飛距離は399フィート（約121.6メートル）のアーチを描き、バックスクリーン左に飛び込んだ。

5試合ぶりの3号は、史上最速となる40本塁打・40盗塁（40/40）をグランドスラムで決めた昨年8月23日以来、自身2本目のサヨナラアーチとなった。5回には開幕から8試合連続出塁となる右前安打、7回の左前安打、そして、この劇砲で、今季初の3安打猛打賞も記録した。

チームは5点差を逆転。前年、ワールドシリーズを制したチームとしては、1933年のヤンキースを92年ぶりに超え、史上最長の開幕8連勝となった。8連勝はブルックリン時代を含めると、1940年の9連勝、1955年の10連勝以来70年ぶり3度目の快進撃だ。

「ムーキー（ベッツ）につなぎたいという気持ちで打席に立ったので、たまたま甘い球をああいう形で本塁打にできて良かった。これだけ多くの人に素晴らしいゲームを見てもらって、選手冥利に尽きる。プレッシャーがかかるということは選手にとって素晴らしいこと。いい意味で力に変えたいと思っていますし、これだけいい場面で打席に立たせてもらえることにまずは満足して、（今後も）頑張りたい」と大谷は話した。

第4打席に向かう前に、スタンドのファンから声がかかった。「ボブルヘッドデーなんだから、打ってよ、みたいに言われました」と明かした。この日は、今季初の大谷のボブルヘッド配布デー。来場者全員にMVP受賞を記念した「お宝グッズ」が配られた。「そういう日をつくってもらって、その日に打てるというのは本当に特別なこと」とも笑顔を見せた。

昨年8月28日に続く、2年連続のボブルヘッドデー弾となった。当日は愛犬・デコピンが始球式でドジャースタジアムを沸かせた後、大谷が先頭打者本塁打。「ふたり」を人形にしたボブルヘッドデー通りの競演を見せた。

千両役者ぶりに、貴重なトレーディングカードも作られた。TOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」では大谷のサヨナラ3号をカード化。抽選で当たるイメージバリエーションにこの日、配布されたボブルヘッドの写真を使ったカードも発表した。当選者は大谷の背番号にちなみ17人のみの限定版となった。

ボブルヘッドがトレカになるのは極めて珍しく、TOPPS「2016　Stadium Club」でマイク・トラウト外野手（エンゼルス）がエンゼルスタジアムに飾られている等身大人形とのツーショットがカードになったことがある。

そういえば、エンゼルスタジアムにあった大谷の等身大ボブルヘッドはどうなったのだろう？。

2023年・筆者撮影

大谷のボブルヘッドは今季、4試合で予定されており、次回は5月15日のアスレチックス戦で50本塁打・50盗塁（50/50）を記念した盗塁版が配布される。

Cove（ライター）
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター（自称）。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。