新型コロナの蔓延で激動の1年となった2020年も残りわずか。日本トレカ界にとっての今年の10大ニュースをピックアップした。ほとんどの出来事に新型コロナが影響を及ぼしているのだが、「Stay Home」でトレカの価値が見直されたのも事実。暗い1年間で、トレカはコレクターだけでなく、多くの人々に夢と希望を与えたのではないだろうか?それでは早速10位から6位までを振り返っていこう。
【⑩NBAカードがさらに高騰】
昨年からNBAカードは投資的要素の高まりを受け、高騰を続け、今年はその傾向が顕著になった。ボックスは5万円以上の価格をつけ、それでもすぐに売り切れる。PANINI「2019-20 Prizm」のボックスは30万円を超えた。
ルーキーカード(RC)の争奪戦がその目的だったが、「Stay Home」で自宅にいる機会が増え、古いコレクションやストレージボックスに詰め込んでいたレギュラーカードを整理するコレクターも増えた。その結果、眠っていたRCを発掘することに。これからスーパースターへの階段を上る選手のカードの価値高騰により、彼らが目標とする偉業を成し遂げて引退した往年のスーパースターのカードの価格も上がった。
コービー・ブライアント氏の事故死も大きなショックと共に世界中のファンにカードを持っておきたいという気持ちを高め、価値の高騰に繋がった。
【⑨ザイオンのRCが大ブレーク!】
10位のNBAカードの高騰につながる大きな要因のひとつが、ザイオン・ウィリムソン(ペリカンズ)の登場だった。全米ドラフト1位のザイオンはデビュー前から、動画でそのプレーが紹介され、世界中で再生された。プロレスラーのような体格からは想像もできない規格外のスピードとジャンプ力に期待度は高まり、故障で遅れたものの、華々しくデビュー。NBA市場初めて10試合(最終的に13試合)連続20得点越えを記録した10代の選手になった。
6月にはPANINI「2019-20 National Treasures」のパッチ&直筆サインカード(99シリ)が米王手のネットオークション「eBay」にて99,800ドル(約1000万円)で落札され話題を呼んだ。
【⑧コロナ禍でサプライ不足に】
地味な出来事ながら、コレクターにとっては大きな事件となったのが、カード収集のためのサプライが店頭から消えてしまったことだ。
コレクション整理のため、トップローダーやマグネットホルダーが売れまくり、海外の工場の生産も追いつかず。コロナ渦で工場も人手不足となり、製造を休止するメーカーも。工場の稼働率の低下はトレカ自体の製造にも影響を及ぼすまでになる。それに加えて海運業も混乱もこれに拍車をかけた。マグホ入りのカードをパックに詰めて販売していた商品もあり、今後はメーカーが独自でオリジナルのマグホを企画することになりそうだ。
【⑦2014年W杯カードのメッシ、Cロナが急騰】
NBAのRCの高騰が飛び火したのがサッカーのトレカ。プロリーグもあり、人気スポーツになっている世界中からの買いが入ったこともあり、PANINI「2018 World Cup Prizm」の、優勝チームであるフランス代表、キリアン・ムバッペ(サンジェルマンFC)のカードが高騰すると、サッカーも「Prizm」景気に。同「2014 World Cup Prizm」はサッカーで最初の「Prizm」ブランドだったこともあり、サインでもパラレルでもないレギュラーカードも高騰。
リオネル・メッシ(FCバロセロナ)やクリステアーノ・ロナウド(ユヴェントス)のベースカードも日本では4万円を超える価格がついた。
【⑥アデトクンボのRCがNBAカード最高値に】
NBAの2019-20シーズンで2年連続のMVPに輝いたのがヤニス・アデトクンボ(バックス)。そのRCにNBAカード史上最高額となる1,857,300ドル(約1億9000万円)のプライスがついた。
このカードは9月に米王手オークション「ゴールディン」に出品された「2013-14 PANINI National Treasures」のロゴマン・パッチが挟み込まれた1 of 1の直筆サインカード。アデトクンボのRCは12月に、同じ「Prizm」、同じグレーディング9.5鑑定の、ともに「1 of 1」のサインカードとパラレルカードが同時にオークションで落札。パラレルに1,168,500ドル(約1億2000万円)、サインに384,000ドル(約4000万円)と「直接対決」で圧倒的な差がつき、サインよりパラレルというここ数年の定説を改めて証明したことも話題になった。
トレカジャーナル編集部