プロレス界最大で最も歴史のある大会「レッスルマニア37」が4月10日、11日の2日間、フロリダ州タンパのレイモンド・ジェームス・スタジアムで開催されます。「レッスルマニア」は「ロイヤルランブル」「サマースラム」「サバイバーシリーズ」を含めたWWE4大PPVの中でも最大の祭典として知られ、170ヵ国6億5000万世帯が視聴していると言われています。
また、新型コロナの流行から無観客で試合を行ったWWEにとっては久しぶりの有観客で開催する「レッスルマニア37」ですが、1987年の「レッスルマニア3」では9万3173人を集め、2010年のNBAオールスター戦が10万8713人を記録するまで、世界のインドア・スポーツのイベントでは最高の観客動員数でした。
WWEが「RAW」「SmackDown」といった団体に、「レッスルマニア」が「サマースラム」「サバイバーシリーズ」「ロイヤルランブル」という他の大会に、つながるように、WWEのトレーディングカードは、TOPPS「ROAD TO WRESTLE MANIA」をはじめとした各ブランドそれぞれにストーリーが存在して、それが紡ぎあっています。
直筆サインカードだけではなく、実使用のマットカード、衣装カードなども収録されていたりもします。その他にもデビューしたスーパースターのカードには1st NXTやRCの表記がされており、スポーツカードの要素も持ち合わせています。2020年から直接カードにサインされている直書きサインカードの収録が増えるなど、集めやすい、親しみやすいトレカだと思います。「レッスルマニア」の魅力について、私の好きなスーパースターをトレカで紹介したいと思います。
第1回大会「レッスルマニア」のメインを張ったハルク・ホーガンは世代やプロレスの枠を超えて、多くのプロレスファンを獲得し、社会現象を巻き起こしました。1985「TOPPS」のルーキーカードはまだ、WWEがWWF時代のものでロゴマークも「WWF」。1987「TOPPS」の裏面には「レッスルマニア3でアンドレ・ザ・ジャイアントを破りチャンピオンになった」と記されています。
「レッスルマニア」で絶大な存在感を放っていたのが、ジ・アンダーテイカーでした。90年にホーガンの紹介で、WCWからWWFに移籍。2014年の「レッスルマニア30」でブロック・レスナーに敗れるまで、「レッスルマニア」では21戦無敗。その前人未踏の記録と怪奇的なギミックで世界中のファンを震撼させました。
残念ながら昨年限りで現役引退を発表したアンダーテイカーは、バイクに乗って会場を去った最後もしびれました。
そのアンダーテイカーに勝利したレスナーですが、無敗記録の衝撃的な結末は記憶に残るシーン。2020年の「WWE CHROME」に収録されている「SHOCKING WINS」というインサートでも勝利の瞬間がトレカになっています。
冷酷無比で圧倒的なヒールとして君臨し、「レッスルマニア」で多くの名勝負を繰り広げたのがトリプルHです。ステファニー・マクマホンと結婚し、WWE最高執行役員としてプロデューサー的な立場も務めています。このトリプルHの直筆サインは「レッスルマニア33」でのもの。背後に、この大会で夫婦で入場したステファニーの姿が写りこんでいる印象的なカードです。
「Women’s Division」と呼ばれるWWE女子部門は、かつてないほどの盛り上がりを見せています。
なかでも2015年にWWEと契約した日本人選手のアスカは女子部門を代表するスーパースター。デビューから連勝街道を進み、2018年の「レッスルマニア34」で“女王”シャーロット・フレアーに敗れるまでWWE史上最長となる267連勝を飾りました。シャーロットは、あのリック・フレアーの娘です。“女王”VS“無敗の女帝”による衝撃的な試合は前述のレスナーと同じく「SHOCKING WINS」としてカードになり、直筆サインも封入されました。
現RAW女子王座を保持するアスカはリア・リプリーと「レッスルマニア37」でベルトをかけて戦います。
2019年に「レッスルマニア35」では史上初めて、女子選手がメインイベントになりました。試合は「ロイヤルランブル」を制したベッキー・リンチ、SmackDown女子王者のシャーロット、そしてRAW女子王者のロンダ・ラウジーが3WAY戦で激突。結果はベッキーがロンダを丸め込み、RAW女子王座とSmackDown女子王座の二冠を史上初めて獲得することとなりました。
試合もさることながら、「RAW」「SmackDown」で毎週繰り広げられたストーリーが決着したり、新たな抗争が始まったりするのもWWEの魅力です。WWEを詳しく知らなくても「レッスルマニア」の入場シーンは見るだけの価値があります。豪華セットのド派手な演出やWWEスーパースターの物語は多くのWWEユニバースを魅了しています。
「ロイヤルランブル」から始まる「レッスルマニア」。始まる前も終わった後も、トレーディングカードを通して楽しめる「レッスルマニアへの道」は永遠に続くのです。
鳥海秀晃【ミント新宿店スタッフ】
学生時代からトレカを集め始め、カードゲームからスポーツカードの世界へ。WWE以外にも様々なカードを収集中。