スポーツトレーディングカード最高額とされる6,000,000ドル(約6億5400万円)のベーブ・ルースのトレカの所有者が6月2日、共同保有者を募集することを発表した。募集はスポーツメモラビリア投資プラットフォーム「コレクタブル」を通じて行われる。トレカの高騰が進む中、高額カードであっても少額で保有者となれる、新しい楽しみ方として可能性を感じさせる試みと言えそうだ。
「コレクタブル」のエゾラ・レバインCEOは「本日の発表はその記録的な価格だけではなく、共同所有というスポーツグッズ業界にとって歴史的で業界を揺るがす内容である」とコメントを発表。レバインCEOによると、ルースの背番号3に敬意を表して、1口3ドルを決めた、という。今回の売買でトレカを買収した買い手の意向で、その権利の大半を保持するため、募集する口数は限られたものになる。
このトレカは「1914 Baltimore News Pre-Rookie Card」。ルースは1913年から14年途中までマイナー・リーグのボルチモア・オリオールズ(現在のMLBオリオールズとは別球団)でプレーした。1914年に地元新聞の「ボルチモア・ニュース」紙がプロモカード(宣伝用カード)を制作。この後、ルースはボストン・レッドソックスに入団し、後にニューヨーク・ヤンキースへ移籍する。メジャー球団のレッドソックスでプレーする前に作られたトレカだったため「Pre-Rookie Card」とされている。現存する枚数は10枚未満とされる。
購入者などは未発表も、「コレクタブル」を通じて、SGCグレーディング鑑定で3点のものが、6,000,000ドル(約6億5400万円)のトレカ史上最高額にて売買されたこともこの日、明かされた。「コレクタブル」のクレイグ・カスタンスSME(シニア・マネージング・エディター)は、その希少性について「ルースのトレカと言えば1915年のスポーティングニュースや、1933年のガウディを思い浮かべるだろうが、枚数から考えればこの『1914 Baltimore News』にこそ価値がある」と話す。
実物のトレカはこれまで23年間、展示されてきた「ベーブ・ルース博物館」にそのまま、展示される。
トレカジャーナル編集部