WBA & IBF世界バンタム級タイトルマッチが6月19日、米国ラスベガスで行われ、チャンピオンの井上尚弥が指名挑戦者のマイケル・ダスマリナス(フィリピン)を3回2分45秒、KOで下し、WBA5度目、IBF3度目の防衛に成功した。井上は日本人初の2戦連続のラスベガス防衛を果たした。
「ジャパニーズ・モンスター」のニックネーム通りの圧勝劇だった。2回に左ボディーをダスマリナスの右脇腹に決めると、3回には右アッパーからの左ボディーで2度目のダウンを奪った。何とか起き上がったダスマリナスだったが、最後も左ボディーでマットに沈めた。21戦全勝(18KO)と連勝記録を伸ばした。昨年10月のジェーソン・モロニー(オーストラリア)との防衛戦は無観客開催だったが、この日、2,500人が集まった会場のヴァージン・ホテル内の「シアター」は大歓声に包まれた。
「熱くて、お祭り騒ぎのようですごく気持ちよかった」とリング上でのインタビューに答えた井上。インタビュアーに2戦連続で獲得した1,000,000ドル(約109,000,000円)のファイトマネーに例えて「モンスターの1,000,000ドルの笑顔」と祝福されたスマイルを浮かべた。「この後にドネア、カシメロと戦える嬉しさがある。このくらいの試合をしないと、2人にアピールできない」と続け、この日、会場に姿を見せたWBC王者のノニト・ドネア、WBO王者のジョンリール・カシメロ(ともにフィリピン)との4団体統一戦を見据えた。
「バンタム級最強を示すには4つのベルトが必要」と井上。この日、急遽、8月14日にドネアとカシメロが対戦することが発表された。今後の展開次第では、年内にもドネアとカシメロ戦の勝者と戦う可能性も浮上し、世界の注目は「ジャパニーズ・モンスター」に集まっている。
井上のワールドワイドな人気はトレーディングカードの世界でも証明されている。6月20日にはネットオークション「eBay」のプライベートオファーで、日本から出品されたBBM「2014 THE CHAMPⅡ」のPSAグレーディング鑑定9点のシングルカードが400ドル(約43,600円)で売買された。
米大手オークション「ゴールディン・オークションズ」(GA)では、フロイド・メイウェザー・ジュニアをはじめ、ボクシングのトレーディングカードが出品され、高値で落札されている。「GA」には、カードショップ「ミント」による出品代行受付がスタート。今後は米国カードメーカーのトレカもどんどん、作られるだろう。世界でも認知される「ジャパニーズ・モンスター」のトレカが「GA」をにぎやかす日も近い。
トレカジャーナル編集部