NPB埼玉西武ライオンズは7月7日、松坂大輔投手が今季限りで現役を引退することを発表した。
1998年のドラフト1位で横浜高からライオンズに入団。いきなり最多勝となる16勝をあげ新人王に選出。07年にはポスティングシステムでMLBボストン・レッドソックスに移籍。総額5200万ドルの6年契約を結んだ。MLBでは1年目に日本人投手初の15勝&200奪三振を達成し、12年ぶりの地区優勝に貢献。ワールドシリーズにも第3戦で日本人投手として初先発初登板。勝利投手にもなり「世界一」に貢献した。
ニューヨーク・メッツでの2年間も含め、MLBでは8 シーズンで56勝43敗、防御率4.45を残し、2016年に福岡ソフトバンクホークスでNPB復帰。18年には中日ドラゴンズに移籍し復活の6勝。20年から古巣のライオンズに戻り、ここまで登板機会はなかった。NPBは実働11年間で114勝65敗、防御率3.04。タイトルは最多勝3回、最優秀防御率2回、最多奪三振4回。2001年には沢村賞にも選ばれた。
そして、世界を相手にも投げた。2000年のシドニー五輪と04年のアテネ五輪出場。06年と09年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での連覇と連続MVPに輝いた。
まだ、松坂本人の会見が行われていないため、その口から引退の2文字は語られていない。ひとつの時代が終わったという事実…だが、まだ、信じられない気持ちもある。マウンドでの輝きがまぶしすぎた分、そこに上がれない時期は批判もものすごかった。「平成の怪物」も度重なる故障には勝てなかった。うらやみ、妬み、裏切り…人は時として残酷になる。引退が発表された今、あれこれ言わずに、素直にその功績を讃えてあげたい。
ボクはスポーツ紙に所属していた頃、松坂を取材したことはない。98年のドラフト会議当日、指名後に指名球団の監督があいさつに来るかもしれないため、横浜高校のそばの喫茶店で待機。東尾修監督(当時)がこの日は来校しないことがわかり、横浜高校に移動。下校する松坂とすれ違い「お疲れ様」そして「さよなら」と言っただけだ。甲子園のヒーローだった松坂は学生服でもオーラがあった。まさか、今回、直接は言えないがトレカジャーナルで「お疲れ様」そして「さよなら」を告げるとは思わなかったが…。
トレーディングカードでもこれほど、コレクターを楽しませてくれた選手もいなかったことは間違いない。NPBが東京五輪開催で中断しているため、自宅のカードを整理する時間があった。MLB時代の松坂のカードを集めたシューボックスを久しぶりに開けて感慨にふけった。そこで、ボクなりの松坂大輔ベストカード(海外メーカー編)を選んでみた。
ボクのイチ押しはUPPER DECK「2007 SPX」の「Rookie Signatures」である。サインはシールだし、ゴールドパラレルなのにシリアルナンバーもないが、けっして、イケていない写真がルーキーカードらしくて、かなりのお気に入りだ。
次点はUPPER DECK「2006 World Baseball Collection」のパッチカードとUPPER DECK「2007 SP Authentic」のレターパッチサインカードである。
ほかにも何枚か、ダイスケ・マツザカのお気に入りカードを掲載して「平成の怪物」に感謝したい。
Cove(ライター)
国内外のコレクションアイテムを収集して30年余り。自称「日本でただひとりの」バブルヘッドライター。日本人メジャーリーガーのトレカも収集。保護猫の姉妹を引き取り在宅ワーク中。