MLBで45年ぶり、4度目の珍しい本塁打が飛び出した。クリーブランド・インディアンスが9月28日、本拠地のプレグレッシブ・フィールドでカンザスシティ・ロイヤルズと対戦。インディアンスのブラッドリー・ジマー外野手が、ロイヤルズのカイル・ジマー外野手から本塁打。ふたりは実の兄弟で、MLBの兄弟対決でのアーチは45年ぶり4度目のことだった。
インディアンスが3点リードで迎えた8回裏、4番手で兄・カイルが登板。打席にはこの回の先頭打者、弟のブラッドリー。ふたりの対戦は3度目で、この試合まで空振り三振、四球の「1勝1分」だった。カウント1-1から、カイルが投じたスライダーをブラッドリーがとらえると、打球は右翼スタンドへ。今季の8号ソロは1976年のジョーとフィルのニークロ兄弟以来の兄弟対決アーチとなった。
MLB公式サイトによると、これまで兄弟対決アーチは4本。1904年10月7日のジョージ・ストーバル(インディアンス)とジェシー・ストーバル(タイガース)、1933年7月19日のリック・フェレル(レッドソックス)とウェス・フェレル(インディアンス)、1976年5月29日のジョー・ニークロ(アストロズ)とフィル・ニークロ(ブレーブス)の対戦で記録された。
ブラッドリーは試合後の会見で「さまざまな感情が交ざっているよ。いつかは同じチームでプレーしたい。初対戦では三振したから、五分にしたかった」と「1勝1敗1分け」となった対戦を振り返った。
この試合は来季から「ガーディアンズ」にチーム名を変えるインディアンスにとっては、本拠地で戦うラストゲーム。歴史的な本塁打もあり、歴史的な試合を8―3の勝利で飾り、本拠地に集まった地元ファンとともに喜びを分かち合った。
TOPPSのオンデマンドカード「Topps Now」では早速、この兄弟対決本塁打をカードにして発売。45年ぶりの出来事に申し込み数を増やしているようだ。
MLBでの兄弟の「事件」と言えば、8月12日に59年ぶりに実現した兄のアンドルーと弟のオースティンのローマイン兄弟(シカゴ・カブス)のバッテリー結成があった。登録は内野手のアンドルーが大差のついた試合で登板し、捕手のオースティンを相手に投球。1900年以降にMLBでバッテリーを組んだ兄弟は9組目で、弟のラリー・シェリーが投げ、兄のノーム・シェリー(ロサンゼルス・ドジャース)が受けた、1962年6月28日以来だった。
残念ながら、こちらは「Topps Now」ではカードにならなかっただけに、兄弟対決本塁打のトレカには価値がある。
追記)ジマー兄弟は10月1日、球場をロイヤルズの本拠地カウフマン・スタジアムに移して再び対戦。9回表1死三塁でブラッドリーがカイルからダメ押しの中犠飛を打ち上げ1打点。試合は6‐1でインディアンスが勝利した。
トレカジャーナル編集部