俳優、ウィリアム・シャトナーさんが10月13日、宇宙飛行士としてロケットに搭乗した。米国の人気テレビドラマ、映画の「スタートレック(宇宙大作戦)」でメーンキャストのジェームズ・T・カーク船長を演じたことで日本でもファンは多い。
シャトナーさんら4人の搭乗したロケット「ニュー・シェパード」は宇宙開発企業ブルー・オリジンが米ヒューストン州「ケネディ宇宙センター」から打ち上げられた。宇宙空間に到達後、11分間の飛行を終え、同州の砂漠に無事、帰還した。これで、「カーク船長」は本物の宇宙飛行士となり、さらに90歳のシャトナーさんは宇宙飛行の最高齢記録を更新した。
「スタートレック」は1966年にスタート。テレビドラマ7シリーズが制作され、映画も13作品が公開された。先日、「ディスカバリー」のシーズン2が日本でも放映。超クールなスーツに身を包んだバーナム中佐に先導されたディスカバリーが未来へ旅立った。「ジョージャウ(主要人物のひとり)ロス」に落ち込んでいたボクにとっては、カーク船長の話題はうれしいニュースとなった。
米2大スペースものである映画「スターウォーズ」と比較されることも多い「スタートレック」。エンターテイメント性の強い「スターウォーズ」に対して、ユニークな異型のキャラクターも少ない「スタートレック」の魅力は「人間ドラマ」だろう。最近の作品こそ、素晴らしいCGや特撮で派手な戦闘シーンなどが採用されているが、ボクが「スタートレック」に魅了された当時は違った。例えば、クルーがそろう操縦席のキャビンだってかなりチャチかった。「人間ドラマ」の奥の深さは子供のころにはなかなか理解できなかったが、その宇宙船のカッコよさには魅了された。
1996年2月、MLBドジャースのスプリングトレーニングの取材で、1996年、フロリダ州ベロビーチに向かう前に、シーズン中の宿舎を探すためにロサンゼルスを訪れた。ビバリーヒルズのホテルから車で5分ほどのところに「トイザらス」があり、ふらっと立ち寄ると、そこにはケナー社「スターティングラインナップ」、「G.I,ジョー」の箱パッケージ版…アナハイムのディズニーランドには行かなかったが、ボクにとってそこはまさに「夢の国」。日本人が「トイザらス」の店内でおもちゃを手にして、奇声を上げている。気味悪かったのか、店員さんは遠目にして怖がっていた。そして、何と「スタートレック」のさまざまな宇宙船のプラモデルが「SALE」の赤札とともに山積みされていた。大人買いして、段ボールに詰め、ベロビーチに持参したことは言うまでもない。
かなり脱線したが、「スタートレック」はトレーディングカードでも人気のシリーズ。カーク船長のサインカードもあり、MINTモールにも出品されている。
どうでもいい話だが、実際の宇宙飛行士も米国のヒーローであり、トレーディングカードはこれまでも制作されてきた。しかし、トレーディングカードを持ってロケットに乗った人はいない。宇宙空間では様々な実験が行われるという。それでも、トレーディングカードが無重力で保存できるのか、とか、サインをすることはできるのか、など確かめた飛行士はいない。当たり前か。
そこで、さらなるロケット搭乗に意欲を見せるシャトナーさんには、次回は「スタートレック」のカードに宇宙でサインをしてもらいたい。それをバイバックで、パックに封入すれば、どんな市場価格がつくだろうか?それは、世界で一番ではなく、宇宙で一番のものになるはずだ。
Cove(ライター)
日米のコレクションを収集して30年余り。トレーディングカードだけでなく、バブルヘッド、プラモデル、フィギュアで自宅が埋まってしまった。日本一のバブルヘッドライター(自称)。