2022年の幕開けとなった1月は野球カードが人気だった。
とくにTOPPS「2021 BOWMAN DRAFT」は、ショップ関係者を驚かせた。MLBドラフトで上位指名選手を中心にカード化してきたこのブランドは、2019年版は多いに売れたが、2020年版はそれほど動かなかった。2021年版は2年ぶりにブレーク。全体1位のヘンリー・デービス捕手(ピッツバーグ・パイレーツ)、同4位のマルセロ・メイヤー内野手(ボストン・レッドソックス)に加え、同6位のジョーダン・ロウラー内野手(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)のビッグ3という目玉があったことが大きな理由だった。
TOPPS「2021 BOWMAN’S BEST」も想定を超える売れ行きを見せた。人気の理由はふたつ。ひとつは、ワンダー・フランコ内野手(タンパベイ・レイズ)が初めてルーキーカードとして認定されたこと。もうひとつは、レデンプションながら大谷翔平投手(ロサンゼルス・エンゼルス)の貴重なサインカードが封入されたことだろう。
TOPPS社初のNPBカードでは「2021 TOPPS Chrome」が人気。サインカードは封入されなかったが、コレクターはMLB版と同様に、シリアルナンバー入りのパラレルを狙った。注目選手はMLB移籍を目指す鈴木誠也外野手(広島東洋カープ)、将来的にMLB挑戦の可能性がある山本由伸投手(オリックス)、千賀滉大投手(福岡ソフトバンクホークス)、佐々木朗希投手(千葉ロッテマリーンズ)と、米国マーケットを意識した動きだった。
日本メーカーの野球カードではEPOCH「2021 日プロ野球OBクラブ HOLOGRAFICA」が大ヒット。11月末にBBM「ルーキー伝説」「MASTERPIECE」、EPOCH「2021 読売ジャイアンツ STARS & LEGENDS」と長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督の直筆サインが入った3ブランドが11月同日発売となり話題になったが、ミスター人気は相変わらずの強さ。「HOLOGRAFICA」でも長嶋さんのサインカードが一番の人気だった。
12月下旬に発売されたBBM「2021 FUSION」も年末の定番商品として人気が高い。12ボックスに1枚程度の割合で出現する始球式直筆サインにガチャピン、尾上右近、井森美幸、ダチョウ俱楽部、めいちゅんといった、この「FUSION」というシリーズだからこそ実現出来たメンバーが収録されていたことも人気に拍車をかけている。
バスケではPANINI「2021‐22 HOOPS」が定番の強さを見せた。リテイル版、ブラスター版と言われる廉価版シリーズが日本にも多く入ってくることになり、今後も注目を集めそうだ。また、PANINI「2020-21 IMMACULATE」やPANINI「2020-21 FLAWLESS」の高級版、超高級版シリーズも殆ど店頭に並ぶ間も無く完売となったことや、前作から大きくブラッシュアップされたBBM「2021-22 B・LEAGUE FAST BREAK 1ST HALF」が幅広い層に受け入れられていることからも、日本国内におけるバスケ人気の高さをうかがい知ることが出来た。
ゲームカードではポケモンカード「スターバース」、MAGIC THE GATHERING「COMMANDER COLLECTION : BLACK PREMIUM」、珍しいモノクロデザインの「DOUBLE FEATURE」が人気だった。
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前月に売れたトレーディングカードを紹介する新連載をスタートします。
トレカジャーナル編集部