NPB阪神タイガースにスーパースター候補が現れた。ドラフト4位ルーキーの前川(まえがわ)右京外野手が3月13日の巨人とのオープン戦に「9番・右翼」で初スタメン出場。球団の高卒新人では1974年の掛布雅之内野手以来、48年ぶりのマルチヒットとなる2安打デビューを飾った。
高校通算37本塁打の左のスラッガーは、智弁学園高では甲子園に、4番に座った1年夏から4度(交流試合を含む)出場し、3年夏には2本塁打も放ち、準優勝を飾った。その聖地での衝撃デビューだった。
「結果が出たので安心。球場の歓声がすごくて、うれしかった」とルーキーらしい初々しいコメント。だが、2本のヒットはカウントを追いこまれながら、戸田と直江のフォークボールをとらえる18歳とは思えぬ技あり打だった。この試合だけの限定起用だったが、矢野監督は15日からの福岡ソフトバンク戦(Paypayドーム)に帯同させることを決めた。
掛布は習志野高からドラフト6位で入団したルーキーイヤーのオープン戦で結果を残し開幕一軍入りを果たした。そしてデビュー戦2安打に続く試合で4安打を放った。掛布の前の高卒新人のオープン戦マルチ安打は66年の藤田平内野手で、藤田もタイガースを代表する安打製造機として球史に名前を残している。
前川は開幕一軍について「やるからには目指しています。グラウンドに立った以上は自覚と覚悟を持ってやっていきたい」と胸を張った。劇画やドラマの主人公のような名前とそのオーラからは、ブレークの予感が漂う。前川のルーキーカードもドラマチックな展開が待っているかもしれない。
トレカジャーナル編集部