3月22日、「山崎慎太郎」が検索サイトのトレンドワード入りした。
人気のNHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」のワンシーン。主人公のひとり、大月ひなたの長男・桃太郎(青木柚)が大学へ向かうため、カバンに野球道具を詰めている背後に、自室に貼られている近鉄バファローズの山崎慎太郎さんのポスターが映った。野球も大きなキーワードであるこのドラマで、山崎さんは野球指導をしている。しかも、この日はセンバツ高校野球の2試合目で、山崎さんが臨時コーチを務める天理高が星稜高と対戦することになっていた。
山崎さんは主に90年代に近鉄バファローズで活躍した投手。今年の5月に55歳になる。1984年のドラフト会議で近鉄に3位指名され、和歌山県立新宮高から入団。3年目にデビューし、初勝利を記録すると翌88年に13勝。98年、福岡ダイエーホークスに移籍し、広島東洋カープ、オリックスバファローズでもマウンドに上がり、2002年限りで現役を引退した。独特の2段フォームからの粘り強い投球が身上で「ミスター・フルカウント」と呼ばれたこともあった。
NPB18年間の現役生活で通算87勝92敗9セーブ、防御率4.19。個人タイトルはなく、目立った記録といえば、史上150人目の1500投球回と、94年のオールスター出場ぐらい。それでもあの近鉄バファローズで一時代を築いた投手がこういう形でスポットライトを浴びるのはうれしい。そう感じたのは筆者だけではないはず。それは、トレンドワード入りでもよくわかる。
山崎さんの現役時代の雄姿を思い出すにはポスターもレアだが、トレーディングカードもいい。「カムカムエヴリバディ」は親子3代100年を紡ぐドラマ。歴史を感じさせるトレカ文化に通じるものがある。ドラマはあと2週で終わってしまう。クライマックスへ向け、劇中に登場する時代劇村で、架空の映画「サムライ・ベースボール」のオーディションが行われている。ぜひ、山崎さんの登場と投球シーンを待ちたい。
Mickey(ライター)
高1で米国留学、サラリーマン時代はイタリアのローマ駐在経験もある。トレカジャーナル編集部が誇るワールドワイドなライター。千葉ロッテマリーンズを応援する。