NPB千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が4月10日、対オリックス・バファローズ戦で史上16人目の完全試合を達成した。94年の槙原寛己(読売ジャイアンツ)以来、28年ぶりで21世紀に入ってからは初めて。20歳5カ月での達成は史上最年少となった。13者連続奪三振のプロ野球新記録も樹立し、95年の野田浩司(オリックスバファローズ)に並ぶ1試合最多の19奪三振。プロ初完投となる今季2勝目、通算5勝目は球史に名を刻む白星となった。
初回2死、吉田正から3球三振を奪った。2年連続首位打者で昨年、規定打席到達者最少の26三振という「三振しない打者」からの三振で伝説は幕を開けた。この三振から日本タイ記録の9者連続三振を奪い、自身の通算100奪三振に到達した。4回2死、フォークボールで吉田正のバットを空を切らせ、日本新記録とMLB記録に並ぶ10者連続。5回の3者連続で13者連続三振まで記録を延ばした。
105球。外野への飛球はわずか2つだけ。カウントも3ボールは1度のみ、という「完璧」なパーフェクトだった。「正直、あまり意識していなかったし、打たれたらそれでいいかなと」と試合後に話した。プロ14試合目にして初完投での偉業達成だった。自身最速タイの164キロも2球、計時した。まだ20歳5か月、まだ4月、まだまだ、パーフェクト、ノーヒットノーランを再現する可能性は十分にありそうだ。
トレカ通販サイトのMINTモールにも記録達成から注文が殺到し、佐々木のカードが売り切れになるほど。発売されたばかりのカルビー「2022 プロ野球チップス 第1弾」のインサート「STAR CARD」の金箔サインは一部で、10000円を超える市場価格をつけている。
これまでパーフェクトを達成した15人にはそうそうたるメンバーが並ぶ。球団では73年10月10日太平洋戦で八木沢荘六がマークして以来49年ぶり2人目。60年島田源太郎(大洋ホエールズ)の20歳11カ月を抜く最年少記録になった。完全試合の奪三振数としては68年外木場義郎(広)の16奪三振を上回り最多。さらに、毎回奪三振は佐々木が初めてだった。
そんなパーフェクト達成者を集めたトレカセットがある。槙原が達成した94年にBBMが制作した「完全試合 栄光の投手達 Perfect Pitching CARDS」は5000セット限定だった。完全試合第1号の藤本英雄から15人目の槙原までの15枚が見開きのシートに並べられた記念セットだった。槙原は達成瞬間、表彰台で手をあげるシーンが封入されたほか、毛筆で書いた「完全」の文字もカードに。「受験生のお守りになる」という噂が広がり、カードショップに受験生の親子連れが多数、訪れた、という。歴代の名投手のカードを作るにはなかなかの苦労もあったはずで、まさに力作だった。
また、当時、発売されていたカネボウ「プロ野球ガム ゴールドカード」の槙原のカードに急遽、「Perfect Game」の金文字を箔押しした限定版も発行された。
佐々木のパーフェクトはどんなトレカになるのだろうか?
トレカジャーナル編集部