WBA、IBF、WBC世界バンタム級王座統一戦が6月7日、さいたまスーパーアリーナで行われ、WBAとIBFの世界バンタム級統一王者・井上尚弥が、WBC同級王者のノニト・ドネア(フィリピン)を2回1分24秒でTKO。日本人初の3団体統一チャンピオンとなった。
プロ23戦全勝、日本記録更新の世界戦18連勝を衝撃の試合内容で決めた。井上は初回の残り10秒を切ったところで、接近戦から右でダウンを奪った。2回も積極的に攻め、最後は左フックで2度目のダウンを奪い、レフェリーが試合を止めた。
「この試合は圧倒的、一方的に勝つんだという思いで、自分はこの試合に挑みました。なのでこの結果になってホッとしている。この先1つ上のステージにいけるのかなと思う」と次の目標であるWBO王座の獲得しての4団体統一王者への思いを口にした。因縁の相手であり、リスペクトする先輩王者を倒し「ドネアがいたからこそ、自分がこのバンタム級で輝けたと思う。このリングに2人で上がったことがまず、この感動を生んだ。本当にドネアには感謝したい」と話した。
井上は2014年4月にWBC世界ライトフライ級王座を獲得し、1度防衛。スーパーフライ級に転級し、同年12月にWBO世界同級王者となり、7度防衛。バンタム級に上げた初戦の18年5月にWBA王座を奪取。19年5月にはIBF王座も奪い、同年11月にドネアを破りWBAスーパー王座も獲得した。統一王者としてWBA7度、IBF5度の防衛に成功した。
ドネア戦直後にはMINTモールで、MINT立川店の85,000円のサインカードが売れるなど、衝撃のTKOの影響が早速、現れた。だが「モンスター」のニックネームも世界に浸透してきた井上だが、海外製のトレーディングカードはまだない。ネットオークション「eBay」には、日本製のBBMの各種カードが数多く、出品され落札されている。今回の勝利でさらに名前を上げたため、米国製のトレカが制作される可能性は高い。最近ではボクシングだけのボックスやセットは作られていないため、井上のルーキーカード封入はUPPER DECK「Goodwin Champions」が最有力候補になりそうだ。
トレカジャーナル編集部