独立リーグのBCリーグ、栃木ゴールデンブレーブスに投手として入団したティモンディ・高岸宏行が8月14日、プロデビューを飾った。栃木県総合運動公園で行われた対埼玉武蔵ヒートベアーズ戦に初登板初先発。2回を3安打3失点も、その力投を同球場では今季最多の5021人の観客が見守った。
愛媛・済美高で甲子園を目指していた右腕にとって、10年ぶりの実戦マウンド。入団テストを経て7月19日に入団発表。芸能活動をこなしながら、8月4日にチームに初帯同し、2試合目の帯同だった。初回に元東北楽天ゴールデンイーグルスの片山を二塁ゴロ併殺に抑え2死三塁としたが暴投で失点。2回には先頭打者に一発を浴び、片山に右前適時打を許した。この日のMAXは併殺を奪った140キロだった。
応援に駆けつけた相方の前田裕太は「200%の力が出ていた。ひとりの男の夢がかなった瞬間を見て、胸が熱くなった」と感動。「ど真ん中で“いただき!”と思ったら、カット気味に変化した。初登板でここまで投げられるのはスゴイ」と片山も感心した。「今の自分を出し切りました。改善点はありますし、成長できるポイントも分かったので…」夢を叶えた初マウンドだったが、高岸は冷静だった。
試合前には入団セレモニーも行われた。「野球は遊ぶもの。全力で命をかけて楽しむ。僕はエール球を投げるので全力で楽しんでください。勝っても負けても楽しいハッピーベースボール!!」と宣言。4-4の引き分けで敗戦投手は免れた。「今日は両者優勝で~す!」とスタンドへ向かって叫んだ。
「応援人として野球の魅力を伝えたいと思っている。打ったのは見事、素晴らしいと。自然と出ましたね」本塁打で生還する打者を、グラブで手をたたいて祝福した。「勝負の世界ではあるけれど、相手をリスペクトする姿勢は僕らも見習わないといけないと思いました」この日、高岸のバックで三塁を守った元福岡ソフトバンクホークスの川崎宗則は言った。
「今日はほんといい投球をしてくれました。彼の投球が僕らに元気を与えてくれました。本当にうれしかったです。たくさんお客さんも呼んでくれたし、こんなにいい経験はありません、非常に今日は緊張したゲームでしたけど、高岸君のおかげでパワーをもらって、本当に素晴らしい試合でした、高岸君本当にありがとう! 栃木ゴールデンブレーブスに入ってくれて、高岸君、本当にありがとう!」と川崎は讃えた。
球場に詰めかけた観客だけでなく、生配信したティモンディ公式YouTubeチャンネルでは8万4000人を超えるファンが同時視聴。自分の夢を現実のものにしただけでなく、多くの人々に夢を与えた。
ゴールデンブレーブスでは背番号16の高岸のユニホームやタオルなど応援グッズを多数、作り、販売している。高岸のトレーディングカード作成、販売も期待したい。
トレカジャーナル編集部