阪神タイガースは10月17日、藤浪晋太郎投手に関して今オフ、MLB球団移籍へポスティングシステムを利用することを発表した。藤浪は昨年オフから球団に対してメジャー挑戦の意思を訴えていた。
兵庫・西宮市の球団事務所で嶌村球団本部長が「シーズン中からいろいろ話し合いをしておりまして、阪神球団として、藤浪選手のポスティングシステムによる移籍に関して、容認するという結論に至りました」と明らかにした。岡田彰布新監督の承諾も得た上で容認する方向で調整。13日にクライマックスシリーズで東京ヤクルトに敗れ、今季日程が終了したことで本人に伝えたという。
昨年オフ、ポスティングシステムでシカゴ・カブスに移籍した鈴木誠也外野手は新型コロナとMLBの労使交渉の影響もあり、年明けの3月まで去就が長引いた。今年の日本野球機構(NPB)へのポスティング申請期間は11月1日から12月15日。球団からの申請を受理したNPBが、MLBに伝え、全球団に通知された翌日から藤浪は30球団との交渉が可能になる。契約が成立すれば、阪神は契約額に応じた譲渡金を得る。気になる申請時期だが、大物FA選手の移籍から決まっていく米球界の移籍市場だけに、申請のタイミングにも注目が集まる。
藤浪は2013年にドラフト1位指名を受け阪神入り。今季まで10年間で189試合に登板し57勝54敗11ホールド、防御率3.41の成績を残した。MAX162キロの快速球が武器で、高校時代から同期の大谷翔平投手(ロサンゼルス・エンゼルス)のライバルとしても脚光を浴びてきた。BBMからは、ふたりのカードセット「「Go Higher」が発売され、そのシングルカードはMINTモールで現在でも人気がある。
阪神からMLBに移籍した日本人選手は過去に4人で投手は3人。すでにシーズン中にはMLB球団の関係者が来日して藤浪を視察していることも報道されている。藤浪の夢が実現するか、MLBのマウンドでどんな投球をするのか、そして、どんなトレーディングカードが作られるか、今から楽しみだ。
【阪神からMLBに移籍した日本人選手】
◆新庄剛志(外野手)
2000年オフにFA権を行使してニューヨーク・メッツと3年総額50万ドル+出来高で契約。01年オフにショーン・エステス投手との交換トレードでサンフランシスコ・ジャイアンツ移籍。03年にはFAとなりメッツに復帰。04年に北海道日本ハムファイターズでNPB復帰。
=MLB通算成績(3年間) 303試合 打率.245、20本塁打、100打点
◆藪恵壱(投手)
2004年オフにFA権を行使してオークランド・アスレチックスと契約。コロラド・アスレチックスとのマイナー契約、メキシカン・リーグでのプレーを経て07年は無所属の浪人生活。08年にサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約から開幕メジャー枠を勝ち取った。2010年東北楽天ゴールデンイーグルスにテスト入団。
=MLB通算成績(5年間=メジャー2年間)100試合 7勝6敗1セーブ10ホールド 防御率4.00
◆井川慶(投手)
2006年オフにポスティングシステムでニューヨーク・ヤンキースが2600万194ドルで独占交渉権を落札。5年2000万ドルで契約。2012年にオリックス・バファローズでNPB復帰。
=MLB通算成績(5年間=メジャー2年間)16試合 2勝4敗 防御率6.66
◆藤川球児(投手)
2012年オフにFA権を行使してシカゴ・カブスと2年総額950万ドル+出来高で合意。トミー・ジョン手術を受けて2015年はテキサス・レンジャーズ移籍。四国IL・高知を経て、16年に阪神復帰。
=MLB通算成績(3年間)29試合 1勝1敗2セーブ1ホールド 防御率5.74
トレカジャーナル編集部