米国大手オークションハウス「Goldin Auctions」にMLBセントルイス・カージナルスのアルバート・プホルス内野手が放った通算700本塁打のホームランボールが出品されて、注目を集めている。
プホルスは9月23日の対ロサンゼルス・ドジャース戦で通算700号を記録した。ベーブ・ルース、ハンク・アーロン、バリー・ボンズに次ぐ史上4人目のメモリアル弾は左翼スタンドで捕球したファンが持ち帰ったと、複数の米メディアが伝えていた。
関係者が捕球したファンに複数の交換条件をオファーし、ボールを返してもらえるよう説得したが、すべて断りボールを保持したままドジャースタジアムを後にしたという。ボールには、MLBによって本物であることを認証する印が付けられている。
記録がかかったホームランボールを、ファンが選手に届けることはよくあることだ。今季のMLBのハイライトシーンのひとつになったニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手のア・リーグ本塁打記録更新。シーズン60号のホームランボールを捕球したファンが、ジャッジのサインボールや本人との面会機会や記念撮影などと引き換えに返却した。
プホルスは記念ボールについて「ホームランボールはギフトであり、ファンのもの。ファンがキープしたいということに、私には何の問題もない。もし返してくれるなら、それは素晴らしいことだけれど、私は“もの”には執着しない」と大人の対応を見せていた。
GAでは10月30日現在、入札終了まで残り6日間を切った時点で24件の入札があり、入札額は160,000ドル(約2400万円)まで上がっている。
米国では記念ボールはそれ相応の市場価格がつく収集アイテムのひとつとしてカテゴリーを確立していたが、日本ではそうでもなかったのが実情。もしかしたら、もうすでに実施されているかもしれないがNPBがその記録を証明するホロシールをその場で貼ったり、MLB Authenticのような証明シールを発行するサービスが広く普及すれば、記念ボールの存在も見直されるだろう。
ちなみに、千葉ロッテマリーンズの「ヒーロー試合球」のように、試合球に直筆サインを入れたものを公式サイトで、販売している球団もあり、記念ボールに関して、地道な動きがあることも事実である。
今回のオークションの結果次第では、今年で言えば、東京ヤクルトスワローズの村上宗隆内野手の5打席連続本塁打のホームランボールや、シーズン56号のホームランボールの市場価値が見直され、オークションなら落札価格という数字で証明される可能性もあるかもしれない。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。