世界的な人気を誇るカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング(MTG)」。4000万人を超えるプレイヤーとファンがいる、と言われる「マジック」は、ゲームで対戦することも面白いのですが、それ以上に楽しいことがあるのです。
ボクの場合、カードをコレクションすることと、ゲームをプレイする割合は7:3くらいでしょうか。コレクションのほうが比重が高いのです。もちろん、プレイするカードと、コレクションのカードは分けています。どうしても、デッキに入れてゲームに使いたくなったら、同じカードを2枚、購入します。
「マジック」全体で考えると、かなり線引きが難しいのですが、MINT渋谷店にいらっしゃるお客様で予想すると実際のプレイヤーとコレクターの割合は8:2ぐらいじゃないでしょうか?。イラストが好きだから集めているお客様がいらっしゃいますが、その数は限られています。アプリもあるし、ゲームを楽しむお客様が圧倒的に多い感じです。
ボクはマジックを始めて2年ほどになります。スマホアプリの日本語版の配信がスタートした時に始めました。それまでも、マジックはイラストがきれいだな、と思っていて興味がありました。「マジック」をやっている人の年齢層は子供にはちょっと、イラストもグロテスクで、テキストも難しくて、大学生以上かもしれません。「遊戯王」から成長して「マジック」に来る人が多い気がします。
ボクも最初は「遊戯王」をやっていました。幼馴染に「マジック」の体験会に誘われたのがきっかけで「マジック」の世界に足を踏み入れてしまったのです。
その体験会で、「アートプリント」を見て、驚きました。「アートプリント」はカードの原画(手書き、デジタルアートに限らず)を元に制作したもので、証明サインとシリアルナンバーが入った複製原画といえます。カードは「アートプリント」のサイズを変えたり、一部分をカットして作られているんですが、初めてそれを見て、こういう世界があるんだな、と魅入られました。
「マジック」はテーマごとに、焦点があたる種族があるんですが、昔からスプラッター系のホラー映画が好きで、吸血鬼の映画が好きだったんです。「マジック」で吸血鬼がフューチャーされている収録弾が出るとボックスやパックを購入します。でも、基本的にはシングルを中心に月で2万円ほど使います。
シングルはショップでもネットでも購入します。ボク的にはトレカって、服とかに感覚が近くて、古着屋さんに行ったら、思いがけないものが安く売っていたりして、そういうトレカを見つけるのも楽しいです。
海外で流行しているらしいのですが、マジックで100枚を違うカードで組むというルールがあって、主役をひとり決めて何回でも使えるんですけど、同じ種族で固めたデッキのほうが強くて、もちろん、そういう意味でも吸血鬼に目がいってしまいます。
持っているカードで一番、高額なのは、ファイレクシアンという生物と機械が融合した世界、のモンスターカードで、1万5000円くらいになります。お金をかけているのは新しいカードが出るたびに入れ代えている、100枚デッキです。
一番のお気に入りのカードは「血の芸術家」で、たくさん種類があって、収録弾ごとにイラストが違ったりするんですが、簡素的なカードでありながら、独特の世界観を持っていて、その広がりも面白いんです。「血の芸術家」にこだわりを持っている人は少ないかもしれません。
カードだけでなく、プレーマットも収集しています。10枚は持ってます。ゲームより美術のほうから入ったので、カードより大きく見えるプレーマットも好きですね。コレクションとしてだけでなく、プレーする時、交流する時の会話のツールにもなるので、他人とかぶりたくなくて、珍しめのマットを買います。
最近では、海外のストリートブランド「ブレイン・デッド」とのコラボで作られたマットがいいですね。世界大会で出場者だけがもらえるマットとか、非売品もあって入手が難しいのもコレクター心をくすぐります。
今、欲しいのは「吸血の教示者」のプロモカードです。大会の認定ジャッジだけがもらえるジャッジ褒章のカードで、なかなか、市場に出てこない。それが3万5000円くらいでWEBで販売されているのですが、毎日のように売れていないか、チェックしています。いつ値上がりするか、ドキドキしています。テレーズ・ニールセンの「意志の力」もいいです。
おこがましいのですが、「マジック」のイラストを描いてみたい、デザインをしてみたいです。壮大な「マジック」の世界の一部になりたいです。
◆羽入大智(はにゅう・だいち) デザイン系の専門学校を卒業しただけに、芸術的なセンスはMINT渋谷店のスタッフの中でも一目置かれている。リサイクルショップでトレカを取り扱ったことがきっかけで、その魅力にハマり、MINT渋谷店入り。(By 中川良太店長)