豪州プロ野球(ABL)で1月19日、元NPBオリックス・ブルーウェーブの具台晟(ク・デソン)投手が4年ぶりにマウンドに上がった。1イニングを無安打無失点に抑え2奪三振。53歳のサウスポーは16日にジーロング・コリアへの入団を発表し、周囲を驚かせたばかり。3日後のこの日、アデレードでの対アデレード・ジャイアンツ戦で7点を追う8回に登板し、快投を見せた。
具は1993年にKBOピングレ・イーグルス(ハンファ・イーグルス)でデビューし、2000年シドニー五輪には韓国代表として出場。対日本代表戦で2試合連続で好投し、日本代表のメダル獲得を阻止した。イーグルスでは96年にクローザーながら18勝3敗24セーブ、防御率1.88で最多勝、最優秀防御率、最優秀救援投手のタイトルに加え、MVPに選出された。
2001年にオリックスに移籍した。4年間で、通算成績は24勝34敗10セーブ、防御率3.88。タイトルはなかったが、02年にはパ・リーグ2位の防御率2.52をマークした。05年にニューヨーク・メッツに移籍し33試合で6セーブを残し、06年にハンファに復帰。5年間プレーし引退を発表した後、渡豪した。
ABLではシドニー・ブルーソックスで2014-15シーズンまで投げ続け、ジーロングの監督だった18-19年にも49歳で1試合に登板している。今回の登板で、その最高齢記録も更新した。ジーロングはKBOから派遣された韓国人選手で構成されるチームで、具は今回、現役選手としてのチーム参加、という。
「130キロくらいは投げられるように体を作った。チームの助けになるよう、できるだけ長いイニングを投げる」と入団時には具は話していたが、圧巻の投球内容だった。
ABLでは今季、NPB阪神タイガースでもプレーしたクリス・オクスプリング投手がシドニーにコーチ兼選手として在籍。45歳のオクスプリングは13試合で0勝1敗ながら防御率2.15を残している(25日現在)。
オリックスに所属していた4年間でBBM、カルビーから具のトレーディングカードが作られた。メッツに入団した06年にはアッパーデックでもいくつかのカードが作られた。今回の復帰登板で、その存在とともに、過去のカードも注目を集めそうだ。
トレカジャーナル編集部