第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)の各国代表メンバーが2月9日、MLBネットワークの番組内で発表された。前大会回で優勝した米国代表は主将を務めるマイク・トラウト外野手(ロサンゼルス・エンゼルス)ら、すでに出場を表明している選手を中心に選出された。
外野はトラウト、ムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)のMVPコンビに昨季のナ・リーグ本塁打王、カイル・シュワバー(フィラデルフィア・フィリーズ)、2年連続30盗塁のセドリック・マリンズ(ボルティモア・オリオールズ)、2年連続30本塁打のカイル・タッカーとなった。
内野では昨季のナ・リーグMVPのポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カージナルス)、同本塁打王のピート・アロンソ、同首位打者のジェフ・マクニール(ともにニューヨーク・メッツ)の強力トリオがそろった。かつて本塁打と打点の二冠王に2年連続で輝いたノーラン・アレナド(セントルイス・カージナルス)が2大会連続の出場。三塁手として10年連続ゴールドグラブ賞の名手でもあるアレナドは前回大会では4番を務めた。
トレイ・ターナー(フィラデルフィア・フィリーズ)は3度のサイクル安打を記録し、21年に首位打者、2度目の最多安打、盗塁王に輝いた。ティム・アンダーソン(シカゴ・ホワイトソックス)もターナーと同じスピードスターで盗塁王の経験がある。
ターナー、アンダーソンと同じ遊撃手で、トレーディングカードでも人気急上昇なのがボビー・ウィット・ジュニア(カンザスシティ・ロイヤルズ)。MLBドラフト全体2位のウィットは剛腕投手を父に持つ今季が2年目のスーパースター候補。ルーキーイヤーの昨季は20本塁打、80打点、30盗塁を残した。
捕手は8年連続2ケタ本塁打で昨季、シルバースラッガー賞とゴールドグラブ賞を獲得したJ.T.リアルミュート(フィラデルフィア・フィリーズ)、2年連続20本塁打のウィル・スミス(ロサンゼルス・ドジャース)のすでに出場を表明していた強打の捕手コンビが決定。日系4世のカイル・ヒガシオカ(ニューヨーク・ヤンキース)の出場発表は「サプライズ」となった。
投手は、通算200勝にあと3勝のクレイトン・カーショー(ロサンゼルス・ドジャース)、同じくあと5勝のアダム・ウェインライト(セントルイス・カージナルス)のベテランコンビを選出。緩急自在の変則モーションで昨季、12勝を挙げたネスタ―・コーテズ(ニューヨーク・ヤンキース)も先発陣のひとりだ。
クローザーはア・リーグ4位の33セーブでワールドシリーズ制覇に貢献したライアン・プレスリー(ヒューストン・アストロズ)と、ナ・リーグ3位の34セーブのダニエル・バード(コロラド・ロッキーズ)か。ケンドール・グレーブマン(シカゴ・ホワイトソックス)はア・リーグ最多の27ホールドをあげたセットアップマン。ア・リーグ3位タイの25ホールドのブルックス・レイリー(タンパベイ・レイズ)とデビン・ウィリアムズ(ミルウォーキー・ブルワーズ)は15セーブにナ・リーグ3位の26ホールドと中継ぎも充実する。
日本のプロ野球ファンにもお馴染みの元巨人のマイルズ・マイコラス(カージナルス)、日本ハムとソフトバンクでプレーしたニック・マルティネス(サンディエゴ・パドレス)も選ばれた。
シャーザー、バーランダー、コールら剛腕投手の名前はなく、すごすぎる野手のメンバーに比べれば見劣りするかもしれないが、なかなかの実力派そろいといえそうだ。
<米国代表メンバー>
【投手】
クレイトン・カーショー(ロサンゼルス・ドジャース)
ネスター・コーテズ(ニューヨーク・ヤンキース)
アダム・ウェインライト(セントルイス・カージナルス)
マイルズ・マイコラス(セントルイス・カージナルス)
ランス・リン(シカゴ・ホワイトソックス)
メリル・ケリー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)
ブレイディ・シンガー(カンザスシティ・ロイヤルズ)
ニック・マルティネス(サンディエゴ・パドレス)
ライアン・プレスリー(ヒューストン・アストロズ)
アダム・オッタビノ(ニューヨーク・メッツ)
デビッド・ベッドナー(ピッツバーグ・パイレーツ)
ダニエル・バード(コロラド・ロッキーズ)
デビン・ウィリアムズ(ミルウォーキー・ブルワーズ)
ジェイソン・アダム(タンパベイ・レイズ)
ブルックス・レイリー(ニューヨーク・メッツ)
ケンドール・グレーブマン(シカゴ・ホワイトソックス)
【捕手】
JT・リアルミュート(フィラデルフィア・フィリーズ)
ウィル・スミス(ロサンゼルス・ドジャース)
カイル・ヒガシオカ(ニューヨーク・ヤンキース)
【内野手】
ポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カージナルス)
ノーラン・アレナド(セントルイス・カージナルス)
ピート・アロンソ(ニューヨーク・メッツ)
ジェフ・マクニール(ニューヨーク・メッツ)
トレイ・ターナー(フィラデルフィア・フィリーズ)
ティム・アンダーソン(シカゴ・ホワイトソックス)
ボビー・ウィット・ジュニア(カンザスシティ・ロイヤルズ)
【外野手】
マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス)
ムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)
カイル・タッカー(ヒューストン・アストロズ)
セドリック・マリンズ(ボルティモア・オリオールズ)
カイル・シュワバー(フィラデルフィア・フィリーズ)
連覇を狙う米国代表はアリゾナ州フェニックスで開催される1次ラウンドC組で、メキシコ、コロンビア、カナダ、英国と2次ラウンド進出をかけて戦う。それまでに、WBCのトレーディングカードは発売されるのか、大会後に米国代表ユニホームでのカードが作られるのか、はまだ、明らかになっていない。侍ジャパン日本代表のカードは強化試合での写真を使い、TOPPS JAPANが日本限定でシングルカードとチームセットを「Topps Now」で発売し話題を集めた。侍ジャパンの最大のライバルとされる「最強」米国代表のカードはさて…?
ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)は手術明けで選ばれなかったが、トラウトもカッコいい。カーショーもカッコいい。全員がカッコいい。でも、やっぱり、ウィット・ジュニアのWBCカードが欲しい。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。