1枚のカードの問い合わせが増えています。世界的なラッパーであるケンドリック・ラマーのカードです。
米国出身のラマーはラッパーだけでなく、ソングライター、音楽プロデューサーとしても知られ、2月初めにはグラミー賞で「最優秀ラップ・アルバム」に輝きました。そのラマーが今年1月に「SUMMER SONIC 2023」の2組目のヘッドライナー(1組目はBlur)として来日することが発表されたのです。
今年の「SUMMER SONIC」(サマソニ)は8月19、20日に千葉・ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセと、大阪・舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)で開催されます。ラマーのフェス出演は2018年の「フジロック・フェスティバル」以来、5年ぶり3度目。NIKEとのコラボしてシューズも作っているので、シューズコレクターの私もラマーの来日が今から楽しみでしょうがありません。
そのラマーのトレーディングカードが存在していたのです。ラマーの来日が決まってから、MINT渋谷店にも問い合わせするお客様がいらっしゃいました。カードコレクターではなさそうなお客様もいらっしゃいます。
このカードは、ラッパーを集めたカードではありません。昔、発売されたラッパーカードのボックスを未開封で持っている私ですが、ラマーのルーキーカードは何と始球式カードなのです。2016年の「Topps Series 2」と「Topps Chrome」に収録されました。ラマーはこの年の4月27日にドジャースタジアムで始球式のマウンドに立ちました。ドジャースのユニホームとキャップでばっちり、決めての「登板」でした。
世界的なラッパーだけに、このカードは米大手オークションハウス「Goldin Auctions」にも出品され、昨年11月にPSA9のものが42ドル、今年1月にはやはりPSA9が30ドルで落札ました。
実は私も「Topps Chrome」のリフラクターを持っていましたが、ラマーの大ファンであるMINT渋谷店のスタッフにプレゼントしてしまいました。話題の1枚になったのですが、今さら、返してくれとはいえないし…。「eBay」に出品されているものはなかなかのプライスということがわかり、今さら購入できないし…。
始球式カードは米国より日本のほうが人気のカテゴリーです。それもあり、ラマーの始球式カードが今、盛り上がっているのかもしれません。
中川良太(MINT渋谷、吉祥寺店長)
プロ野球カードの知識を活かしたテレビ出演経験も豊富なだけでなく、元ミュージシャンとしても唯一無二の存在。東京ヤクルトスワローズファン。(by Cove)