大谷翔平投手(ロサンゼルス・エンゼルス)が第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)に出場するため、日本代表侍ジャパンに合流した。大会直前の強化試合に出場。3月6日の対阪神タイガース戦では第2打席で体勢を崩されながらも片ひざをついて右手一本で京セラドーム大阪のバックスクリーンへ特大弾。続く打席では詰まりながらもバックスクリーン右へ2打席連続のアーチをかけた。7日の対オリックス戦でも中前安打をマークし、3打席連続安打。初出場となるWBCでの投打に期待はふくらむばかりだ。
強化試合とはいえ、大谷が侍ジャパンのユニホームに袖を通したのは実に7年ぶり。そこで、これまでの「侍ジャパン・大谷」の成績とトレーディングカードを振り返ってみた。
実は大谷は花巻東高3年で、侍ジャパン高校代表に招集され、第25回IBAF18U世界野球選手権大会に出場した。侍ジャパンのトップチームに初めて選ばれたのは2014年の日米野球。第1戦(京セラドーム大阪)でリリーフ登板し1回を無失点に抑えデビューを飾った。第5戦(札幌ドーム)では先発し4回を2失点。自責点は0だったが負け投手になった。この大会では打者としての出場はなかった。
翌15年には第1回WBSCプレミア12が開催され、大会前のプエルトリコとの強化試合(ヤフオクドーム)にリリーフ登板。先発・前田健太からバトンを受け2回を3安打2失点。この時も自責点は0で、防御率0.00をキープした。
第1回WBSCプレミア12では韓国との開幕戦(札幌ドーム)で6回を2安打無失点に抑え勝ち投手に。10三振を奪う圧巻の投球だった。宿敵・韓国との準決勝で再び、先発すると7回を1安打無失点。勝利投手の権利を得て降板したが後続が打たれ、チームは敗退した。3位に終わったが大谷はベストナインに選ばれた。
2016年には初めて侍ジャパンのユニホームで打席に立った。メキシコ、オランダとの強化試合で、「3番・DH」でのスタメン2試合、代打での2試合を含め全4試合に出場。11打数5安打の打率.455を残し、オランダ戦で右中間スタンドへ本塁打を放つと、翌日の同カードでは東京ドームの天井を直撃し、シートの間に吸い込まれて打球が落ちてこない二塁打を放ち、周囲を驚かせた。
2017年の第4回WBCは右足首の故障で出場を辞退。この年のオフにポスティングで北海道日本ハムからエンゼルスへ移籍。19年のプレミア12、21年の東京五輪での出場が期待されたが、MLB主力選手の出場が見送られたため、招集されなかった。
「侍ジャパン・大谷」のトレーディングカードは
2016年 カルビー「侍ジャパンチップス」
2017年 カルビー「侍ジャパンチップス」
2017年 TOPPS「Bowman Chrome」メガボックス
に収録された。
2016年の「侍ジャパンチップス」は前年のプレミア12での投球の写真が、2017年の「侍ジャパンチップス」にはやはり前年の強化試合での打者の写真が使用された。いずれも、毛筆体の箔ネームが印字されたパラレル版が存在する。2017年の「Bowan Chrome」は大谷の米国でのファーストカードとして大人気を集め、現在でも10万円前後で取引されている。この投球フォームの写真は15年のプレミア12でのものと思われる。
【大谷翔平の侍ジャパン成績】
☆2014年
日米野球(対MLBオールスターチーム戦) =2試合0勝1敗 防御率0.00
☆2015年
強化試合(対プエルトリコ戦) =1試合 0勝0敗 防御率0.00
第1回WBSCプレミア12(対韓国戦)=2試合 1勝0敗 防御率0.00
☆2016年
強化試合(対メキシコ、オランダ戦)=4試合 打率.455、1本塁打、1打点
☆2023年
強化試合(対阪神、オリックス戦)=2試合 打率.750、2本塁打、6打点
第5回WBC =?
今回の大会後、どんなカードが作られるか、その二刀流の活躍と同じくらいに楽しみでしかない。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。