NFLファンが待ちに待った2023年NFLドラフトが27日、開催される。ドラフト対象選手が封入されたボックスは購入済みだろうか。開けてから見るか、見てから開けるか。金の卵を紹介するこのコラムも3回目。今回はWB(ワイドレシーバー)編だ。
(1)ジャクソン・スミス・エンジグバ(オハイオ州立大学)185cm/89kg
昨年のローズボウルでNCAAのボウルゲーム新記録となるレシービングで347ヤードという怪物パフォーマンスを披露。走って良し、捕って良し、捕球後のランも良しと欠点がない。21年に大学のチームメイトだったギャレット・ウィルソン(ジェッツ)とクリス・オラーベ(セインツ)の先輩WRコンビは2人ともプロ1年目から1000ヤード捕球と大活躍したが彼らをして「俺たちより才能がある」と言わしめる逸材だ。スロットレシーバーとして即戦力なのは間違いない。不安があるとすれば今季はハムストリングの故障で出場が少なく大活躍したのは21年シーズンのみという点か。兄のケイナン・スミス・エンジグバはMLBの2017年ドラフトでヤンキースに4巡目で指名され今季はパイレーツでプレーする外野手だ。
(2)クエンティン・ジョンストン(テキサスクリスチャン大学)191cm/94kg
高い身体能力を持つ大型レシーバー。体格と長い手足を活かしたプレーで競り合いにも強くスピードもあるエースレシーバー候補。バスケットボールでも大学から奨学金の申し出があった選手で余裕でダンクをかませる跳躍力もレッドゾーンでの武器になる。お手本にしているのはダヴァンテ・アダムス(レイダース)。不安点としてプレーにムラがあるという指摘も。
(3)ゼイ・フラワーズ(ボストンカレッジ)178cm/80kg
すばしっこいスロットレシーバー。とにかく小気味良い動きで、ルートランでスッと守備の隙間に入って捕球し抜けていくクイックネスは一級品。守備バックと競っても体格の小ささを感じさせない素晴らしい捕球を見せる事がある半面、何でもない時にミスキャッチをする場面もちらほら。14人兄弟の下から4番目で5歳の時に母親を亡くし、トラックドライバーだった父親が男手ひとつで大家族を育ててくれた。
(4)ジョーダン・アディソン(南カリフォルニア大学)180cm/78kg
インサイドでもアウトサイドでもプレーできてスピードもある。捕球範囲は広くないがピンポイントで来たボールは確実に捕球するキャッチ力がある。21年はピッツバーグ大学でケニー・ピケット(スティーラーズ)とのコンビで活躍しビレトニコフ賞(大学最優秀WR)を受賞。22年は南カリフォルニア大学に転校しハイズマン賞(大学最優秀選手)を獲得したQBケイレブ・ウィリアムスと組んだが成績を落としてしまった。
(5)ジェイリン・ハイアット(テネシー大学)183cm/80kg
22年のビレトニコフ賞受賞者。爆発的な加速がありトップスピードに乗ると守備陣に影も踏ませないディープスレット。縦へのスピードだけでビッグプレーを決める事ができるが、限られたルートしかこなしておらず細かいプレーに対応できるかは未知数。大学での実績もほぼ22年のみに集約される。かなり細身なのも気になるところだ。育成次第で化ける可能性がある。
トップ4人の後は評価が分かれそうだが今ドラフトはWRの人材が豊富という声も聞こえてくる。筋肉隆々のジョナサン・ミンゴ(ミシシッピ大学)22年の平均レシーブヤードが20.1という俊足マービン・ミムズ(オクラホマ大学)、体重78kgの軽量級ながらスロットレシーバーとして光るジョシュ・ダウンズ(ノースカロライナ大学)、父親も元NFLのWRで大型レシーバーのセドリック・ティルマン(テネシー大学)、万能で欠点が少ないジェイデン・リード(ミシガン州立大学)など、ドラフト2日目、3日目の指名からも目が離せない。
Norn(ライター)
米4大スポーツがメインのコレクター。各球団のポケットスケジュールを集めていたが近年のペーパーレス化で絶滅しかかっているのを悲しんでいる。マイナーの試合にも足を運ぶBowman愛好家。