「41th フジサンケイレディスクラシック」の最終日が4月23日、 静岡・川奈ホテルGC富士Cで行われ、神谷そら(フリー)が通算4アンダーで初優勝を飾った。昨年のプロテストをトップ通過したルーキーがプロ8戦目で、1988年のツアー制度施行後では12番目のスピードVを果たした。
5日前に20歳になったばかりの神谷は首位から出たこの日、1イーグル、2バーディー、6ボギーの73。167センチの恵まれた体格で平均飛距離ランク2位(256・23ヤード)のパワーを誇る粗削りなゴルフながら17番、18番ホールでメンタルの強さも見せた。2位に後退して迎えた17番は川奈名物の難関ホール。7番アイアンでピン左3メートルにつけると、この日、2人しかいない値千金のバーディーを奪い再逆転。18番は、外せば安田祐香、岩井千怜、荒川怜郁との4人プレーオフとなる80センチのボギーパットを沈めた。
「最後のパットは手が震えました。優勝の実感はありません」ポーカーフェイスが涙で優勝インタビューに崩れた。「支えてくれた、応援してくれた周囲の人に感謝したい」と話し「(みなさんに)何と報告しますか?」と聞かれるとひと呼吸おいて「勝っちゃった」とはにかんだ笑顔を見せた。
2003年度生まれの「ダイヤモンド世代」として、川崎春花、尾関彩美悠に続く3人目の優勝となった。華やかなイメージがあるが、プロ入りまでは苦労を重ねた。21年のプロテストでは一発合格した川崎、尾崎に対して、神谷は5打及ばず不合格。悔しさを糧に腕を磨き、翌年の2度目のテストでトップ合格を果たした。アマ時代の20年には誤球でのプレーで失格。ショックは長引き、その年は試合にほとんど出場できなかった、という。
今年1月1日にJLPGA入りしてから113日での優勝は歴代5番目の早さ。日本人では2007年の佐伯三貴の112日に次ぐ。佐伯の初Vもこの「フジサンケイレディスクラシック」だった。「こんなに早く勝てるとは思わなかった。2勝目を目指して、また明日から頑張ります」ルーキーのロゴマークが輝くエポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」。今季も記録と記憶に残る女子ゴルフカードが作られているが、スーパールーキーのこの優勝カードは今後、語り継がれる1枚になるかもしれない。
トレカジャーナル編集部