フリーマーケットアプリの「メルカリ」さんは、たまにとんでもない掘り出し物のレアカードがとんでもない安価で登場したりして、珍カードを集めるボクにも見逃せないツールになっている。そんな「メリカリ」さんでたまたま、見つけたのが「北海道・札幌招致PRアスリートカード」だった。
このカードはプロモーションカードである。昨年9月に、日本オリンピック委員会(JOC)が、札幌市と進める2030年冬季五輪・パラリンピック招致の機運を高めるため、制作し、JOCのイベントなどで配布している、という。「多くの方にオリンピック・パラリンピック競技へ関心を持っていただくきっかけになれば」とJOCでは話している。
サイズは一般に流通しているトレーディングカードと同じで、きちんとコーティング加工がされている。表面は過去の五輪、パラリンピックに出場したアスリートたちの競技写真を使用。裏面はPRロゴや、招致計画を紹介するホームページのURLが掲載されている。
全部で30種類。「メルカリ」さんなどでチェックしてみると、カーリング女子のロコ・ソラーレ、スピードスケートの高木美帆、スキージャンプの小林陵侑、フィギュアスケートの宇野昌磨らのカードがあるが、冬季だけでなく、夏季大会に出場したアスリートがカードになっている。JOCが夏冬問わず「誰もが憧れるアスリート」の象徴として認定した「TEAM JAPAN シンボルアスリート」を中心に選出されたそうだ。
そして、何といってもボクが驚かされたのは「無冠の帝王」ならぬ「無カードの女王」こと、スキージャンプの髙梨沙羅のカードが存在していることだった。作られてから半年以上、気が付かなったのは、痛恨の極みである。
そのため、「メリカリ」さんに掲載されているごくわずかな髙梨のカードはほとんどが販売済み。イベントで手に入れた人は手放さないのかもしれない。何度も試練を乗り越えて、大空に舞い続ける髙梨のように、ようやく、このカードをゲットした。素晴らしい写真とデザインである。このカードが髙梨にとって最初で最後のカードにならないことを願うのはボクだけではないはずだ。
念願の髙梨のカードを手にして思ったことがある。もうひとりの「無カードの女王」のことである。先日、現役を引退した卓球女子の「かすみん」こと石川佳純さんのカードも、どこかにあるのかもしれない…。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。