エリー・デラクルーズ内野手(シンシナティ・レッズ)が7月16日、とんでもない記録を樹立した。
この日、本拠地のグレートアメリカン・ボールパークでの対ミルウォーキー・ブルワーズ戦の3回。三塁を守っていたデラクルーズは、ジョーイ・ウィーマーのゴロを捕球すると、ステップを踏んで豪快に一塁へ送球。この送球が、97.9マイル(約157.6キロ)を計測した。
データ解析ツール「スタットキャスト」によると、MLBが「スタットキャスト」を導入した2015年以降、デラクルーズのこの97.9マイルが内野手としては最速の補殺送球だった。
これで、MLB内野手の補殺送球のベスト5は
1位 エリー・デラクルーズ 97.9マイル(2023年7月16日)
2位 オニール・クルーズ 97.8マイル(2022年7月14日)
3位 フェルナンド・タティースJr. 97.3マイル(2020年9月20日)
4位 フェルナンド・タティースJr. 96.8マイル(2021年9月18日)
5位 オニール・クルーズ 96.7マイル(2022年6月20日)
となった。
今季、MLBデビューを果たした21歳は、15試合目でサイクル安打を達成した。8日には史上2人目となる、1打席の間に二盗、三盗、本盗と3盗塁を成功。高い身体能力で次々と記録的な活躍を見せている。
そして、サイクル安打、3盗塁に続き、この最速送球もTOPPS社のオンデマンドカード「Topss Now」でカードになった。
守備に特化したトレーディングカードは、日本ではBBMがサブセットで守備の名手に贈られる「ゴールデングラブ賞」のカードを作ってきたが、なかなか、珍しい。送球のスピードを記したカードは、2位のクルーズ、3位のタティースJr.ともになく、今回のデラクルーズのカードは史上初の「強肩カード」と言えるかもしれない。
クルーズは目からレイザービームを発射しているカードはあった。レイザービームと言えば、イチローさんの強肩を如実に表している表現である。タティースJr.のアイコン的なルーキーカードは、ボールを投げようとしているカードではあるが…。
大谷翔平投手(ロサンゼルス・エンゼルス)が北海道日本ハムファイターズに入団した時、栗山英樹監督(当時)が「登板しない時は、遊撃を守らせても面白い」と言っていたことさえ、思い出した。
今度は外野手の捕殺送球のスピード記録を発表してほしい。そして、そのカードを作ってほしい。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。