「CAT Ladies 2023」の最終日が8月20日、大箱根カントリークラブで行われ、蛭田みな美(ユアサ商事)が、劇的な初優勝を飾った。プレーオフ1ホール目で第3打をピン約1メートルにつけるスーパーショット。バーディーを奪って、プロ8年目で悲願を達成した。
初めて最終日に首位から出て、5バーディー、2ボギーの69と3つ伸ばし、通算13アンダーの203。それでも18番では、ウイニングパットを2度外してのボギーで西郷真央とのプレーオフに突入した。その18番で決着をつけた。
プレーオフは第1、2打ともにミスし、流れを失っていた。だが深いラフから残り157ヤードの第3打を1メートルにピタリ。「(グリーンに)乗ればいいやと思っていた。奇跡です」。1メートルのパットを決め、満面の笑みでガッツポーズ。優勝インタビューで、キャディーを務めた父宏さんら周囲の支えを問われ、涙が止まらなくなった。表彰式でも「自分でも信じられなくて、今まで応援してくださった方々にお礼を言いたいです」と涙声で話し、大きな拍手に包まれた。
学法石川高時代に2014年の日本女子アマで優勝し、15年には日本ジュニア選手権優勝。16年にプロテストに合格したが、プロでは18年にステップアップツアー「九州みらい建設グループ・レディース」で勝っただけだった。「自分はこのまま勝てずに終わるんじゃないか」と悩んだが、プレー中に笑顔を見せることは少なかったが「今年から笑うようにした。表情筋が緩むと全身が緩むと思った」。
この日も最後まで見せた笑顔が「奇跡」の一打につながった。「今回はラッキーでした。次はラッキーだけではない優勝をしたいです」とまた、笑った。
蛭田のトレーディングカードはEPOCH「2021 JLPGA OFFICIAL TRADING CARDS(2021 日本女子プロゴルフ協会 オフィシャルトレーディングカード)」に、サインカード、コスチュームカードが封入されていた。今回の初優勝で、同社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」にも初登場。ウイニングパットを決める直前の緊張の一瞬をとらえた表面から、トロフィーをもっての笑顔の裏面へ、その表情の変化にもドラマがある。
トレカジャーナル編集部