「SMBC日本シリーズ」の第7戦が11月5日、京セラドーム大阪で行われ、阪神がオリックスに7-1で勝利。対戦成績を4勝3敗とし、1985年以来となる38年ぶり2回目の日本一に輝いた。
59年ぶりの関西対決はオリックスが先に王手をかけたが、阪神が逆王手で3勝3敗で大一番を迎えた。
阪神は4回1死一、二塁、ノイジー外野手がオリックス先発の宮城大弥投手の低めの変化球をすくい上げて先制の3ラン。「2ストライクだったので何とか前に飛ばしたいと思っていた。前のふたりがチャンスを作ってくれたし、最高の形でホームに迎え入れることができてよかった」助っ人は主導権を握る2戦連続アーチと、5回の適時打でシリーズ優秀選手賞に選ばれた。
5回には、2死一、三塁でルーキーの森下翔太外野手が適時二塁打。大山悠輔内野手、ノイジーも連続適時打で続き、クリーンアップがそろい踏み。6点差と試合を決めた。
「昨日、チャンスの場面で打てていませんでしたし、その分もやり返すという強い気持ちを持って打席に立ちました」森下は9回にもダメ押しの適時打を放ち、新人最多記録となるシリーズ通算7打点でシリーズ優秀選手賞を獲得した。
阪神の先発は日本シリーズ初登板となった青柳晃洋投手。ていねいにコーナーと低めをつき5回途中まで4安打無失点と好投を見せた。昨季まで2年連続最多勝のサイドスローは今季、開幕投手を務めたが8勝止まり。クライマックスシリーズでも登板はなかった。
「いい緊張感だった。長いイニングを投げるとか考えず、目の前に一人ひとりを抑えることに集中して投げた。重圧も感じていたが、今日できる自分の仕事はできたと思います」と胸を撫でおろした。
6回からは第3戦で先発した伊藤将司投手がレギュラーシーズンも含めて、今季初のリリーフ。3イニングを1安打無失点に抑えた。「最後はチーム一丸となって、いつでも投げる準備をしていた。うれしいです」とメモリアルゲームに勝利投手として名前を刻んだ。
9回は桐敷拓馬投手が2死を取った後、守護神の岩崎優投手が登板。オリックスで今季、大ブレークした頓宮裕真捕手に意地の一発を浴びたが、後続を抑えた。「最後、勝ったチームの最後に投げられて光栄でした。チームメート、首脳陣に感謝です」と岩崎は話した。
阪神ナインは、岡田彰布監督を5回、胴上げ。続いて宙に舞った岩崎は同期で入団し今年、脳腫瘍のため28歳で亡くなった横田慎太郎さんの現役時代のユニフォームを両手で掲げた。
「日本シリーズMVP」には近本光司外野手が選ばれた。近本はシリーズ7試合すべてに「1番・センター」で先発フル出場し、6試合でヒットを打つなど29打数14安打、通算打率は4割8分3厘と打線をリードした。「短期決戦だったので、初球からシーズンとは違う形で打ちにいけた結果だと思う。優勝の瞬間は、みんながマウンドに集まっていたが、僕はレフトに残されていたので、みんなの歓声を聞きながらゆっくりとした時間を過ごせた」と笑わせた。
「選手がみんな、役割を果たして頑張ってくれた結果。開幕からいつも超満員のスタンドで応援してもらいました。選手は力になったと思います。何とか達成できたのでね、アレのアレを。今年1年、良い形で追われて、これはファンの皆さんの声援のおかげだと思うので本当にありがとうございました」と岡田監督は感謝した。
第1戦 10月28日 ●オリックス 0 – 8 阪神○
第2戦 10月29日 ○オリックス 8 – 0 阪神●
第3戦 10月31日 ○オリックス 5 – 4 阪神●
第4戦 11月1日 ●オリックス 3 – 4 阪神○
第5戦 11月2日 ●オリックス 2 – 6 阪神○
第6戦 11月4日 ○オリックス 5 – 1 阪神●
第7戦 11月5日 ●オリックス 1 – 7 阪神○
エポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」では日本シリーズ第7戦の記念すべき試合を8枚のカードで大展開。過去にはBBMが「日本シリーズセット」を制作した時期もあったが、この大一番だけでなく、シリーズを通じて作られた「エポワン」は、そのセットにも匹敵する熱いメモリアルなカードたちになった。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。