NPBで出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化するために昨年から導入された「現役ドラフト」が12月8日、行われた。佐々木千隼投手(千葉ロッテ)が横浜DeNAへ、阪馬場皐輔投手(阪神)が巨人へ、鈴木博志(中日)がオリックスへ、とドラフト1位で入団した3人を含む12人の選手の移籍が成立した。
昨年の第1回の現役ドラフトで移籍した選手では、大竹耕太郎投手(福岡ソフトバンク→阪神)が12勝2敗、防御率2.26、細川成也外野手(横浜DeNA→中日)が打率.253、 24本塁打、78打点と覚醒した。
「現役ドラフト」は各球団が来シーズン契約を結ぶ見込みの保留選手名簿の中から2人以上をリストアップ。ただし、外国人選手、複数年契約を結んでいる選手、FA=フリーエージェントの権利を持っている選手と過去に行使した選手、育成選手はリストアップの対象外となる。
リストアップされた選手は事前にNPB=日本野球機構を通じてほかの球団に示され、当日、各球団はリストをもとに獲得を希望する選手を現役ドラフト会議の議長に伝える。
それを集計し、他球団からの指名が1番多かった選手の所属する球団が最初に指名できる。そして、選手を指名された球団は次に指名する権利を得られる仕組みで、この流れを繰り返す。
昨年は年俸5000万円以上の選手は対象外とする一方、1人に限って5000万円以上1億円未満の選手をリストアップできる仕組みだったが、今年からは5000万円以上1億円未満の選手をリストアップした場合は5000万円未満の選手を追加し、合わせて3人以上をリストアップしなければならないという新たな規定を設けた。
この変更で年俸の低い選手がより多く指名の対象になる狙いがあったが、ドラフト1位入団のピッチャー3人の移籍が決まった一方で、指名は去年と同じく1巡目で終わり、2年連続で2巡目は実施されなかった。
≪第2回現役ドラフト結果≫
【阪神】漆原大晟投手(オリックス=27歳、右投左打)
新潟明訓高-新潟医療福祉大=2018年育成1位
16試合 0勝0敗0S1H 防御率3.00
【広島東洋】内間拓馬投手(楽天=25歳、右投右打)
宜野座高-亜大=2020年4位指名
2023年一軍出場なし
【横浜DeNA】佐々木千隼投手(千葉ロッテ=29歳、右投右打)
日野高-桜美林大=2016年1位指名
2試合 0勝0敗0S0H 防御率3.00
【巨人】馬場皐輔投手(阪神=28歳、右投右打)
仙台育英高-仙台大=2017年1位指名
19試合 2勝1敗0S3H 防御率2.45
【東京ヤクルト】北村拓己内野手(巨人=28歳、右投右打)
星稜高-亜大=2017年4位指名
27試合 34打数7安打 打率.206 0HR 0打点 0盗塁
【中日】梅野雄吾投手(ヤクルト=24歳、右投右打)
九産大九州産高=2016年3位指名
5試合 0勝0敗0S0H 防御率3.38
【オリックス】鈴木博志投手(中日=26歳、右投右打)
磐田東高-ヤマハ=2017年1位指名
9試合 1勝2敗0S1H 防御率4.07
【千葉ロッテ】愛斗外野手(西武=26歳、右投右打)
花咲徳栄高=2015年4位指名
73試合257打数55安打 打率.214 4HR 15打点 2盗塁
【福岡ソフトバンク】長谷川威展投手(北海道日本ハム=24歳、左投左打)
花咲徳栄高-金沢学院大=2021年6位指名
9試合 0勝0敗0S0H 防御率1.08
【東北楽天】櫻井周斗投手(横浜DeNA=24歳、左投左打)
日大三高=2017年5位指名
2023年一軍出場なし
【埼玉西武】中村祐太投手(広島東洋=28歳、右投右打)
関東一高=2013年5位指名
5試合 0勝0敗0S0H 防御率1.29
【北海道日本ハム】水谷瞬外野手(福岡ソフトバンク=22歳、右投右打)
石見智翠館高=2018年5位指名
2023年一軍出場なし
※年齢は12月8日現在。成績は2023年シーズン。
昨年は「現役ドラフト」で移籍した選手が入団会見の写真を使ってエポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」でいち早く、トレーディングカードになり話題になった。今年の移籍選手の「エポワン」も楽しみだ。
トレカジャーナル編集部