Jリーグは12月19日、東京都内で理事会を開催し、現行の2月開幕から8月開幕へと移行する「秋春制」を2026-27年シーズンから実施することを承認した。
すでに12月14日の実行委員会では60クラブ中52クラブがシーズン移行の実施に賛同。態度保留は7、反対は1の新潟だった。これを受けてこの日の理事会で決議し、過半数の賛成を得て承認した。
シーズン移行は過去にも検討されてきたが、豪雪地域の課題が解消できず、見送られてきた。だがアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)が今季から秋春制となったこともあり、議論を再開。秋春制の優位性を見直す声が増えていった。
「検討課題はたくさんある。ここからが始まり」と野々村芳和チェアマンは口にした。「30年先にどうするか。その前にまず10年後の姿を明確化したい」理事会後、樋口順也フットボール本部長は明言。「Jリーグを世界と戦う舞台へ」とのスローガンを掲げた。
「秋春制」移行のメリットとして
①ACLとシーズンを一致させることで、ACLで4年に2回の優勝、4年に1度の新クラブW杯でベスト8以上、トップクラブの年間売り上げ規模を200億円にできる
②欧州の移籍マーケットとの一致により、夏場のシーズン途中の主力選手の退団もなくなる。市場総額が冬の移籍(約2200億円)より大きい夏の移籍(約1兆300億円)にマッチすれば、クラブの収益拡大も期待できる
③6~9月の猛暑の中での試合数が減れば、選手のパフォーマンスも上がる
④異常気象による夏場の大雨で、過密になっていた秋以降の日程も余裕ができ、選手へかかる負荷も減る
などが挙げられる。
このシーズン移行によって、リーグ戦の日程は8月開幕~5月閉幕となる。降雪が多い12月第2週~2月第2、第3週までの期間はウインターブレイク(冬期中断)を設ける。
トレーディングカードへの影響も大きい。Jリーグのトレカは、TOPPS社の参入もあり、盛り上がっている。これまでのカードの制作時期も「移行」することになるだろう。Jリーグはスポンサーの問題もあり、ユニホームの広告も毎年のように変わる。カードの写真の選択も難しくなっていく。それでも、Jリーグの発展、Jリーガーの飛躍のためにはやむを得ないことなのかもしれない。
トレカジャーナル編集部