日本代表侍ジャパンは3月6、7日、京セラドーム大阪で欧州代表と対戦し、2連勝を飾った。若手中心の招集となったが、井端弘和監督は就任してから、優勝を飾った昨年11月の「カーネクスト アジアプロ野球 チャンピオンシップ2023」から6連勝となった。
6日の第1戦は村上宗隆、近藤健介の適時打などで5-0、7日の第2戦は6投手の継投でパーフェクトゲームを達成し2-0で勝利した。侍ジャパンのユニホームで躍動するNPB選手だったが、それ以上に目立ったのが、大学生トリオだった。
西川史礁外野手(青学大)は第1戦に代走で途中出場して、回ってきた打席で左翼線に適時二塁打。続く打席でも三遊間を破った。初出場した試合でいきなり、お立ち台に上がりヒーローインタビューも受けた。第2戦では、「1番・中堅」でスタメン出場し、投手強襲の内野安打。ヘッドスライディングで前日から3打席連続安打を記録した。7回の守りではダイビングキャッチでパーフェクト継投をアシストした。
「緊張したんですけど、自分のベストのパフォーマンスを出すことができたと思います」と堂々と受け答え。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出たいという思いが強いので、プロに入ってもこうしたジャパンには入れるように頑張っていきたいです」と第1戦のお立ち台で話した。その堂々とした受け答えと、打席で初球からフルスイングする姿でその名前をファンに刻んだ。
金丸夢斗投手(関大)は第2戦に先発。最速151キロの快速球で、2イニングを無安打無失点に抑え4奪三振。「真っすぐの制球もあり、チェンジアップもスプリットもいい感じで抜かすことができたので良かったです」と話した。
2012年に「侍ジャパン」が常設されてからドラフト指名前の大学生がトップチーム入りするのは今回が初めて。西川が第1戦で初出場を果たしたが、マウンドに上がったのは金丸が初めてとなった。
金丸に続いて2番手で登板したのは中村優斗投手(愛工大)。3回の1イニングを三者凡退に抑えただけでなく、この日の11球のうち、8球が直球だったが、すべて155キロを超えた。スライダーで三振も奪った。「後ろで守っている方々がいつもテレビで見ている選手たちだったので、思いっ切り投げることができました。観客が多いほど燃えるタイプ。わくわくします」と話した。
圧巻のデビューを飾った3人にくわえ、大会前の骨折で出場は見合わせた宗山塁内野手(明大)もチームに帯同した。今秋のドラフトで1位での競合必至と言われる才能の遊撃手で井端監督も「源田(壮介)の侍ジャパンの正遊撃手」と明言する。
侍ジャパンの試合は、TOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」でカード化されてきた。日本での試合は日本限定でカードになっている。今回の2連戦もカード化が期待されるが、大学生4人のカードが登場すれば、将来的にも価値のある1枚になるだろう。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。