JLPGAツアー2024シーズン第10戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」の最終日が5月5日、茨城県つくばみらい市・茨城ゴルフ倶楽部東コースで開催された。韓国のアマチュア選手であるリ・ヒョソン(李暁松=韓国)が、1イーグル、5バーディ、2ボギーの67でまわり、通算280、8アンダーで「15歳176日」の史上最年少優勝を決めた。2014年「KKT杯バンテリンレディス」で勝みなみ(明治安田)が記録した「15歳293日」という、日本ツアー史上最年少記録を塗り替えた。
国内公式大会でアマチュアが優勝するのは2019年「富士通レディース」の古江彩佳(富士通)以来、5年ぶり8人目。また、最終ラウンドで7打差を覆しての優勝は、国内公式大会の最大逆転記録となった。
初日75を叩き71位タイと成績が振るわなかったが、2日目、3日目を69でまわり、最終日は10位でスタートした。上位には山下美夢有(加賀電子)とイ・イェウォン(李叡源=韓国)という2023年の日韓賞金女王が揃っていた。前半は冷静なプレーでボギーなし、2バーディで上位に進出。プロのトップ選手が好プレーを続けるなか、17番をバーディに収めると、最終18番パー5ではピン手前3メートルの位置に2オンしてイーグルを奪取。首位の李叡源と佐久間朱莉(大東建託)に並んでホールアウトした。その後、李叡源と佐久間がスコアを落とし、劇的な逆転優勝が決まった。
優勝インタビューでは「大好きな日本でツアー優勝できたことを光栄に思っています。今回は毎日トップ10で維持しようというのが私の目標でした。最後のホールではいつものプレーをすると自分に言い聞かせていたので、イーグルがとれて本当に嬉しかったです。日本のみなさん、4日間、最後までたくさんの応援ありがとうございました」と15歳とは思えないしっかりとしたコメント。将来について「私は日本が大好きなので、日本のツアーで成績を上げてみなさんに活躍する姿を見せたいです。最終的には世界ランキング1位を狙っていきたいと思います」と大きな夢を語った。
リ・ヒョソンは9歳のときに祖父の影響でゴルフを始め、いまも祖父の指導とサポートを受けながら競技を続けている現役高校生。2022年、2023年に韓国女子アマを連覇。韓国のプロ大会での優勝はまだないが、2024年4月「ネイバーズトロフィー選手権」で団体・個人戦ともに優勝。韓国のナショナルチームに当たる国家代表でプレーしていて、世界アマチュアランキングは23位だ。11月25日が申請期限の日本ツアーのメンバー登録については、これから家族と相談するという。
日本女子ゴルフ界に衝撃を与えた今大会。15歳の将来有望なアマチュア選手の優勝にゴルフファンのみならず、多くの人が驚いたことは言うまでもない。諸般の事情でエポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」の制作は今回は実現しなかった。6月1日に発売される話題満載のエポック社「2024 JLPGA ROOKIES & WINNERS」にも残念ながら、リ・ヒョソンのトレカは収録されていない。これから日本女子ゴルフ界に旋風を巻き起こす選手となるだろうリ・ヒョソンのカードの登場が待ち遠しい。
Kumin(ライター)
あらゆるスポーツとディズニーを愛するトレカ女子。トレカジャーナルでは女子ゴルフをメーンに担当しているが、好奇心旺盛でほかのスポーツにも興味津々。エポワン「ディズニー」のコンプリートを目指している。