J1のFC東京は7月13日、MF松木玖生が海外移籍の手続きと準備のためチームを離脱すると発表した。移籍先にはプレミアリーグのサウサンプトンが有力視されている。今季は就労ビザの関係で、トルコ1部に昇格したギョズテペなど、サウサンプトンを保有するスポーツリパブリック社がオーナーシップを務めるクラブへの期限付き移籍が濃厚だという。
北海道出身の21歳は、青森山田中で2度の全国優勝。青森山田高では1年生からレギュラーとなり、2021年度の全国高校選手権で優勝。2022年にFC東京入りし、開幕戦から先発するなど主力に。3年目の今季は主将となり、リーグ戦17試合で2得点4アシストを記録した。
日本代表はU―15世代から各年代で選出され、2023年U―20W杯に出場。2024年U―23アジア杯では優勝に貢献。パリ五輪の代表メンバーからは、今回の移籍準備もあり、外れた。
移籍前最後の試合となったこの日の対新潟戦(東京・国立競技場)は後半16分から途中出場。クラブ史上ホーム最多の5万7885人の大観衆を前に得点・アシストは決められなかったが、チームは2-0で勝利した。試合終了のホイッスルが鳴ると、チームメート達と抱き合って勝利を喜び、仲間たちから3度胴上げされた。
その後、拡声器を持ちスタンドに歩み寄ると、笑顔で「ユルネバ歌いましょう」とサポーターに呼びかけ。チームメートと肩を組み「You’ll Never Walk Alone」を大合唱した。そしてマイクを握るとスタンドに向けて「いつ行くかまだ分からないけど、海外に挑戦することになりました」と報告した。
「皆さんと分かち合えた時間を忘れることはないし、この先も自分の心に必ず残ります。自分の決めた道を貫き通して、信じて、FC東京に在籍した偉大な選手になれるように頑張りたいと思います」と堂々とした決意表明を行った。
サウサンプトンは昨季昇格プレーオフを勝ち抜き、今季からプレミアリーグへと返り咲いた。過去には李忠成、吉田麻也、南野拓実ら日本代表選手も所属。また、日章学園のFW高岡伶颯の加入も内定している。
松木の海外サッカーカードも楽しみだが、この日の感動の「セレモニー」は、エポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」でカード化されそうだ。わずか3年だったが、FC東京での雄姿をファンも、コレクターも忘れない。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。