パリ五輪のテニスは8月4日、男子シングルスの決勝が行われ、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)がカルロス・アルカラス(スペイン)をセットカウント2-0で下して金メダルを獲得した。
世界ランキング2位のジョコビッチは5回目の五輪で初めて決勝に進出。相手は世界3位のアルカラス。第1セットはサービスゲームをキープしあう展開でタイブレークに。ジョコビッチはフォアハンドの鋭いショットを決めるなどポイントを重ねて7ー6で先手を取った。
37歳のジョコビッチと21歳のアルカラス。続く第2セットも互いに譲らずタイブレークに入り、ジョコビッチは正確なショットでこのセットも7ー6で奪い、セットカウント2-0のストレートで勝ち。2時間半を超える激闘を制した。
1回戦でM・エブデン(オーストラリア)、2回戦で元世界ランク1位のR・ナダル(スペイン)、3回戦で世界ランク70位のD・ケプファー(ドイツ)、準々決勝で第8シードのS・チチパス(ギリシャ)、準決勝で第11シードのL・ムセッティ(イタリア)を撃破。初戦から6試合で1セットも落とさない完全優勝で、自身初の金メダルをゲット。同種目で史上最年長の金メダリストにもなった。
これで、男子シングルスで合計24回の優勝を誇る全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープンの4大大会にくわえ、五輪を選手キャリアで制す生涯ゴールデンスラムを達成した。生涯GSは女子ではS・グラフ(ドイツ)とS・ウィリアムズ(アメリカ)、男子ではA・アガシ(アメリカ)とナダルのみで、ジョコビッチが史上5人目となった。
試合終了後、コートに倒れこんだジョコビッチは涙を浮かべた。「今まで成し遂げた全てのことを上回る最高のタイトルだ。ロンドン五輪の開会式でセルビアの旗手を務めたのが競技人生で最高の瞬間だと思っていたが、それを超える感動があった」と話した。
パリ五輪のテニスの女子シングルスではジェン・チンウェン(中国)がアジア人として男女を通じ初の快挙を達成し金メダルを獲得。男子ダブルスではオーストラリアペアとして28年ぶりとなる金メダルをM・エブデン(オーストラリア)/ J・ピアース(オーストラリア)組が優勝。女子ダブルスではS・エラーニ(イタリア)/ J・パオリーニ(イタリア)組が金メダルを手にした。エラーニは女子ダブルスにおいて四大大会とオリンピックのすべてで優勝を飾り生涯ゴールデンスラムを達成した。混合ダブルスではT・マハーチ(チェコ)/ K・シニアコバ(チェコ)が制覇し、同種目でチェコ勢初の金メダルを獲得した。
【男子シングルス】
金:N・ジョコビッチ
銀:C・アルカラス
銅:L・ムセッティ(イタリア)
【女子シングルス】
金:ジェン・チンウェン
銀:D・ヴェキッチ(クロアチア)
銅:I・シフィオンテク(ポーランド)
【男子ダブルス】
金:M・エブデン/ J・ピアース
銀:A・クライチェック(アメリカ)/ R・ラム(アメリカ)
銅:T・フリッツ(アメリカ)/ T・ポール(アメリカ)
【女子ダブルス】
金:S・エラーニ/ J・パオリーニ
銀:M・アンドレーワ/ D・シュナイダー
銅:C・ブクサ(スペイン)/ S・ソリベス=トルモ(スペイン)
【混合ダブルス】
金:T・マハーチ/ K・シニアコバ
銀:ジャン・ジジェン(中国)/ ワン・シンユ(中国)
銅:F・オジェ アリアシム(カナダ)/ G・ダブロウスキ(カナダ)
そして、さらにうれしいニュースも。まもなく発売されるTOPPS「2024 CHROME TENNIS」にジョコビッチのサインカードが封入されることが分かった。ジョコビッチにくわえ、男子の世界ランキングTOP10のうち、8人のサインを収録。パリ五輪のメダリストからも何人か、日本からは錦織圭のサインカードも収録される。ジョコビッチの感動の金メダルで幕を閉じたパリ五輪のテニスだが、テニスのトレーディングカードはまだまだ、盛り上がる。
◆石山直杜(MINT広島店長)
宮城県涌谷町出身。元シェフという異例の経歴で、MINTではトレカ情報を来店者のために料理する。今春からMINT広島の店長に。プロ野球は地元の東北楽天ファンでカードはテニスカード、海外サッカーも収集。(By MINT渋谷・中川良太店長)