「富士通レディース 2024」の最終日が10月13日、千葉県千葉市・東急セブンハンドレッドクラブで開催され,山下美夢有(加賀電子)が、通算14アンダーの「202」でJLPGAツアー2024シーズン第31戦にして、今季初優勝を飾った。今季2位が7回と、なかなか初優勝の機会に恵まれなかった2023年の年間女王が、残り7試合となったタイミングでとうとう貴重な1勝をつかんだ。昨年の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」以来の通算12勝目となる。
最終日、首位の古江彩佳(富士通)と2打差の6位タイから出て、前半に7バーディーを獲って首位との差を縮めた。11番では単独首位に立ったが、13番、14番で連続ボギーを叩き一時は苦しい展開に。首位タイで迎えた最終18番では13メートルのパーパットを決め、古江が17番でボギーとなり、決着は18番を使ったプレーオフへ。
プレーオフの1ホール目は両者ボギーとなり、両者一歩も譲らない渾身のプレーで観客を魅せた。勝負を決めたのは2ホール目。ボギーとなった古江に対し、安定したプレーでパーを獲った山下が大混戦を制して今季初優勝を飾った。
表彰セレモニー中のインタビューでは「最高です。やっぱり優勝は違うな、と思いながら、歓声を浴びさせていただきました」と感慨深げに答えている。また、公式SNSでは「皆様、お待たせしました。ようやく今シーズン1勝目を挙げることが出来ました。残りの試合も優勝目指して頑張ります。沢山のご声援本当に有難うございました」と優勝の喜びを語った。
父の影響で5歳からゴルフを始めた山下は、高校時代から注目を集めた。2019年には「トヨタジュニアゴルフワールドカップ Supported by JAL」に日本代表チームとして優勝に貢献。同年、高校在学中にプロテストに一発合格して「現役女子高生プロ」となった。
2021年に「KKT杯バンテリンレディス」でツアー初優勝。2022年には「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」では完全優勝で国内メジャー初制覇を飾り、この年、史上最年少で年間女王となった。2023年にも2年連続の年間女王を獲得、2024年にはパリ五輪に日本代表として出場するも4位タイとなりあと一歩というところで表彰台を逃した。
今回の優勝でメルセデスランキングのポイント数でも1位の竹田麗央(ヤマエグループHD)に迫っている。残り6試合となった今季ツアーだが優勝の可能性も大いにあり得るポイント差だ。樋口久子(富士通)、と涂阿玉(ミズノ)、不動裕理のレジェンドたちが成し遂げた3年連続の年間女王に山下も挑んでいく。
エポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」から、山下の今季初優勝を記念したトレーディングカードが発売された。 11月に発売される「EPOCH 2024 JLPGA OFFICIAL TRADING CARDS TOP PLAYERS」には堂々のカードナンバー#1で収録される。そして、そのプロモーションカードの配布がスタートした。山下のプロモカードに書かれたインスクリプションは「感謝」。この思いを胸に今季初勝利をあげた山下はやっぱり、強かった。
Kumin(ライター)
あらゆるスポーツとディズニーを愛するトレカ女子。トレカジャーナルでは女子ゴルフをメーンに担当しているが、好奇心旺盛でほかのスポーツにも興味津々。エポワン「ディズニー」のコンプリートを目指している。