バスケットボール男子日本代表の河村勇輝(メンフィス・グリズリーズ)が10月25日、敵地でのヒューストン・ロケッツ戦で途中出場し、日本選手4人目となるNBAデビューを果たした。
グリズリーズのスプリングトレーニング、プレーシーズンマッチで存在感を見せ、下部のGリーグでプレーしながらNBAで最大50試合プレーできる「2way契約」を勝ちとった河村。10月23日のユタ・ジャズとの開幕戦(ソルトレークシティー)では12人のベンチ入りこそ果たしたが、出場機会はなかった。
そして、この開幕2戦目の第4クオーター(Q)に出番がやってきた。第3Qでロケッツに逆転されて迎えた第4Q。104-123と19点をリードされ、残り時間は3分34秒。ベンチ前で待機していた背番号17が飛び出し、夢の第一歩をコートに刻んだ。
日本選手がNBAに出場するのは田臥勇太(2004年=フェニックス・サンズ)、渡邊雄太(2018年=グリズリーズ)、八村塁(2019年=ワシントン・ウィザーズ)に次いで4人目の快挙は、Bリーグ出身の日本選手として、初めてのNBA出場にもなった。
それだけではない。残り1分14秒にドリブルからゴール下に入ってきたウェルズにパスをつなげ、1アシストも記録した。このあと、第4Qの最後までプレーしたが、試合はグリズリーズが108対128で敗れ、開幕2連勝は逃した。
「コートに立つことを目標に渡米を決断したので、ひとつ夢がかなった瞬間だった。機会を与えてくれた皆さんに本当に感謝しかない。試合に入った瞬間は、とにかくチームの流れをよくしたい、そのために何をすべきなのかとずっと考えていた。コートに立つだけではなくて、チームの勝利に貢献できるような選手になりたいという思いが強く湧いてくるので、ここに満足することなく、僕の挑戦はまだまだこれからだと思っている」と話した。
身長173センチは今シーズンのNBA選手の中で最も低い。「日本の小さい子どもだけでなく、世界中にいるバスケットが大好きな子どもたちにNBAのコートに立ちたいと思ってもらえるようなプレーをしていきたい。自分の挑戦ではあるが、子どもたちに向けても何かいいものをお届けしたい」そんな夢でも大きな第一歩を踏み出した。
まだ、PANINI社のオンデマンドカード「Panini Instant」でも河村のトレーディングカードが作られておらず、過去にも発行されていない。そのため、メンフィスを中心に盛り上がる河村人気だが、ネットオークションのeBayでは、9月に発売された「2024 BBM トレーディングカードセット 河村勇輝 -One & Only-」のカードを中心にBBM社のカードが並んでいる。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。