NBAメンフィス・グリズリーズのスコッティ・ピッペンJr.が11月8日、本拠地でのワシントン・ウィザーズ戦で11得点、10リバウンド、11アシストをマーク。キャリア初のトリプルダブルを達成し、NBAで父と息子がともにトリプルダブルを記録した2組目の親子となった。
父は言わずと知れた、シカゴ・ブルズで6回の優勝(2度の3連覇)を成し遂げた90年代を代表する名選手、スコッティ・ピッペンである。
NBAでは今季のレブロン・ジェームズとブロニー・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)だけでなく、デル&ステフィンのカリー親子、マイカル&クレイのトンプソン親子、リック&ブレントのバリー親子、アルビダス&ドマンタスのサボニス親子、ティム・ハーダウェイ親子など、二世選手は珍しくない。
それでも、ともにトリプルダブルを達成している親子は1950~60年代に活躍したドルフ・シェイズ(キャリア通算3回達成)と息子のダニー・シェイズ(同1回)のほかには、いなかった。
父親のピッペンは203cmのサイズに機動力を兼ね備えた攻守万能のオールラウンダーで、今ほどトリプルダブルが頻発しなかった時代に通算17回を達成。マイケル・ジョーダンをサポートしたことから「史上最高のNo.2」とも評された。
ピッペンJr.は2022年にレイカーズとツーウェイ契約、エグジビット10契約と進んだが、10月に解雇。今年1月にグリズリーズとツーウェイ契約し10月に本契約に合意した。チームメイトの河村勇輝と同じようにドラフト外から這い上がった。身長185cmながら、父親譲りの守備力とバスケットセンスで台頭した。
この日はジャ・モラントの欠場でスターターに抜擢され、結果を出した。これで、今季は平均12.1点、リーグ17位の6.5アシストの成績で好調なチームを牽引している。
試合後、父親のピッペンは自身のSNSで「息子とこの瞬間を共有できて誇りに思う」と投稿。11月10日に24歳の誕生日を迎えた息子へ、「誕生日おめでとう、スコッティ!今日、君は生まれた街ポートランドでプレーしている。君が成し遂げてきたすべてを誇りに思っている。偉大さを追い続けろ!息子よ、愛してる」とメッセージを贈った。
今回の大記録のおかげでピッペンJr.だけでなく、ピッペンの存在もスポットライトをあらためて浴びることになった。トレーディングカードもレジェンドのカードは相変わらずの人気。これからどんどん、登場するであろうピッペンJr.のカードもこのまま、活躍を続ければ、市場価格をトリプルダブルでアップしていきそうだ。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。