「第43回大王製紙エリエールレディスオープン」の最終日が11月17日、愛媛県松山市・エリエールゴルフクラブ松山で開催された。山下美夢有(加賀電子)が通算22アンダー、「262」で今季2勝目、ツアー通算13勝目を挙げた。初日から最終日まで4日間首位を守り切っての完全優勝、さらに、通算22アンダーはパー71設定における72ホールのツアー最少ストローク記録を1打更新してのトーナメント記録更新となった。
首位からスタートした最終日。山下は1番から7番までバーディーがなかったが、焦ることなく安定したプレーを続けた。8番でバーディーを獲ると、勢いが増して11番、12番でも連続バーディーを獲得。ここで2位以下に5打差をつけていたが、最後まで集中力を切らさずにプレーすることを心掛けた、という。最終5バーディー、2ボギーの「68」でフィニッシュ。昨年の年間女王らしい高い技術を見せての優勝ではあったが、ツアー終盤での2勝目の喜びは大きく、笑顔で2回、ガッツポーズを決めた。
優勝インタビューでは「今年は最終日になかなかスコアを伸ばせず悔しい思いをしたんですけど、こうして優勝することができてとてもうれしいです。今年はアメリカ(ツアー)の(最終)予選会に出ます。そこでしっかり予選を通過して、もっとゴルフ界を盛り上げられるように頑張りたいと思います」と語った。ツアー終盤になって本領を発揮し始めた。今季は最後に競り負けて2位が多かった印象だが、来季に向けて上り調子であることが伝わる。
昨年まで2年連続で年間女王となった。今年は竹田麗央(ヤマエグループHD)にその座を譲ってしまったが、まだまだ、健在ぶりを証明した。「残り2試合で、今季2勝目を挙げたことはとてもうれしいです」と語っている。次週の今季最終戦「JLPGAツアー選手権リコー杯」は3連覇がかかる。また、目標のひとつでもある海外メジャー制覇を目指して、12月に米女子ツアーのQシリーズ最終予選に出場を予定している。この優勝で、次戦とQシリーズへ向けて勢いに弾みをつけた。
エポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」から山下の優勝を記念してトレカの発売が決まった。ガッツポーズやシルバーに輝く優勝カップを手に微笑む山下は、優勝に縁がなかった今季のプレーから一皮むけて、新しいスタートを切ったかのようにも見える。今回で優勝カードは今季2枚目になる山下。ファン待望の1枚目も好調な売れ行きだったため、今回のカードの注目度も高いのは間違いない。
Kumin(ライター)
あらゆるスポーツとディズニーを愛するトレカ女子。トレカジャーナルでは女子ゴルフをメーンに担当しているが、好奇心旺盛でほかのスポーツにも興味津々。エポワン「ディズニー」のコンプリートを目指している。