海外FA権を行使した前巨人の菅野智之投手が、MLBボルチモア・オリオールズと契約した。球団の公式SNSが12月16日、「菅野智之投手、オリオールズへようこそ!」と、侍ジャパンのユニホームを着用した菅野の画像付きで投稿し、契約合意を伝えた。米メディアなどによると、年俸1300万ドル(約19億5000万円)の1年契約だという。
菅野は今季、24試合に登板し15勝3敗、防御率1・67の好成績を残し、リーグ優勝の原動力となった。セ・リーグ投手では歴代最多の3度目のMVPを獲得。最多勝、最高勝率などのタイトルにも輝いた。NPB12年間で通算成績は276試合に登板し136勝74敗、防御率2.43を残した。
2020年オフにはポスティングシステムを利用して、メジャー移籍を目指していたが、新型コロナ禍の影響もあり、断念していたが、夢をかなえた。これまでに米メディアでは獲得候補としてエンゼルス、パドレス、カブス、ジャイアンツなどの名前が挙がっていた。
オリオールズは1901年、ミルウォーキー・ブルワーズとして創設。セントルイスを経て、1954年のボルチモア移転とともに現チーム名に変更した。オリオールは、ボルチモアのあるメリーランド州の州鳥「ムクドリモドキ」。地区優勝9度、リーグ優勝7度を果たし、1966、70、83年にワールドシリーズも制覇した。OBには2632試合連続出場のメジャー記録を持つ「鉄人」カル・リプケン内野手がいる。本拠地は4万4970人収容のオリオールパーク・アット・カムデンヤーズ。指揮官はブランドン・ハイド監督が務める。
ニューヨーク・ヤンキース、ボストン・レッドソックス、タンパベイ・レイズ、トロント・ブルージェイズと強豪そろいのア・リーグ東地区に所属し、今季は2位でプレーオフに進出した。菅野とバッテリーを組むアドリー・ラッチマン捕手、ジャクソン・ホリーデー二塁手とドラフト全米1位コンビをはじめ、ガナー・ヘンダーソン遊撃手と勢いのある若手野手がそろう。
過去に日本人選手は上原浩治と和田毅(登板なし)、藤浪晋太郎の3投手が在籍した。菅野は4人目になる。
オリオールズのチームカラーはオレンジと黒で、巨人と同じ。来年、海外メーカーが発行する菅野のトレーディングカードはオレンジと黒が貴重になる。どんなカードになるか、今から楽しみだ。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。