「自分にとってはとても大きな挑戦でしたが、それと同時に、グレーディング会社がまだ根付いていない地域で新しい事業の基盤を作るというのはとてもエキサイティングなことでした。」
東京で行われたインタビューにおいて、PSAジャパンのビジネスディレクターであるトニー・アラム氏は、1年目の会社運営ついて質問された時にこう答えています。
長年日本に住むバイリンガルの会計士であり、また、自身も収集家としての一面を持つアラム氏は、極東におけるPSA最初のベンチャーの先頭に立って会社をリードし、業界トップである第3者鑑定・グレーディング会社の海外事業展開を支えてきました。彼の1年目の役割は、会社設立の手続きに始まり、オフィスや充分な倉庫スペースの確保、ウェブサイトの立ち上げ、そして自身の名刺デザインに至るまで多岐に渡るものでした。さらには、地方のトレカイベントでPSAブースを初めて出展させたり、興味を示した参加者の質問に答えたり、そして何よりも、トレーディングカードの真贋鑑定・グレーディング・保護ホルダーの存在すら知らなかった日本人コレクター達の信頼を得るという大きな役割を担っていました。
「トレーディングカードやサインの真贋鑑定・グレーディングという概念はほとんどの日本人コレクターにとって初めて耳にする言葉でした」と、アラム氏。「日本では、コレクターの人達はカードをそのままの状態で収集することに満足しているように見受けました。しかし、PSAがどのようなサービスを提供しているかを説明する機会があるごとに、コレクターの人達の関心が段々高まってきました。」
「一般的に、どのような人でも変化や新しいアイデアの受け入れには消極的だと思います。しかし、実際のところ日本人コレクターの人達は米国のコレクターと良く似ています。自分のコレクションを他の人に見せたい、カードを最良の状態で保存したいと思っているのです。そして、もちろんカードの価値が上がることも望んでいます。ですから、PSAのブランドやサービスが日本人コレクターの間で必要不可欠になる日はそんなに先の話ではないと確信しています。」
多数のトレカイベントに参加してPSAのサービス告知を行った結果、アラム氏は月毎の申込枚数が右肩上がりで伸びていることを誇らしく述べています。実際のところ、8月には月間申込枚数が新たな最高枚数を更新しました。
「昨年11月の受付開始から、ほぼ隔月毎に最高枚数を更新しています」と、アラム氏。「好材料なのは、初めてグレーディングを申し込んだ方々の多くが、リピーターとして2回目も申し込みしてくださっていることです。さらに、鑑定されたカードを受け取った後、インスタグラムやフェイスブックなどのソーシャルメディアで画像と共に好意的なコメントを載せてくれています。こう言ったひとつひとつがPSAブランドを海外で広める一助になっています。」
この1年はPSAジャパンにとって何事も初めての年でしたが、アラム氏の最も誇れる達成のひとつに、PSAジャパンが申し込みを受け付けた1993年発行のマジック:ザ・ギャザリングベータ版ブラック・ロータスが、PSAの通算3千3百万枚目として特別ラベルが付与されたことが挙げられます。このカードにはPSA8(NM-MINT)が与えられ、YouTubeでの開封動画の再生回数は4万4千回を超えています。
「ソーシャルメディアがPSAジャパンの成長を継続させるカギを握っていると思います。」と、アラム氏は付け加えています。
アラム氏は、2年目がどの様な年になるのか、そして1年目の勢いに乗ってさらに何をできるのかという問いに躊躇することなくこう答えています。
「今後はさらに多くの代理店やカードショップのオーナー様方に、実際に店頭でお客様からのお申し込みを取り次いで頂く際の手順を覚えて頂けるように注力していきたいと思っています。店頭で受け付けて頂けるようになれば、PSAの営業活動やマーケティングの一端を担って頂いているようなものです。そして、この活動が東京以外の地域のコレクターの開拓に繋がってくれることを望んでいます。」と、アラム氏は語っています。
「カードは真贋鑑定やグレーディングのためにカリフォルニアの米国本社に転送されるのですが、とりわけ最初の申し込み時には、PSAジャパンのオフィスに郵送で送るよりもお気に入りのカードショップのカウンターに直接持って行った方がコレクターの方々も安心すると思います。」
記事の提供:PSA JAPAN https://www.psacard.co.jp/
*この記事は、2019年8月に行われたインタビューを翻訳したものです。