第59回スーパーボウルが2月9日、ルイジアナ州ニューオーリンズのシーザース・スーパードームで行われ、フィラデルフィア・イーグルス(NFC)が40-22でカンザスシティー・チーフス(AFC)を下した。イーグルスは2018年以来7季ぶり2度目の優勝。イーグルスはチーフスの史上初の3連覇を阻止して、2年前と同じ頂上決戦で35-38で惜敗した雪辱を晴らした。
イーグルスは第1クォーター(Q)にQBジェイレン・ハーツのTDランで先制。FGで10-0とした第2Qには、この日が22歳の誕生日だった新人CBクーパー・デジーンが、チーフスQBマホームズのパスをインターセプトして38ヤードのリターンTDをマークした。誕生日にスーパーボウルでTDを決めたのは史上初だった。
第2Q終盤にもパスインターセプトから好機をつくり、ハーツがWRのAJ・ブラウンに12ヤードのTDパスを通して前半を24-0とリード。第3Q残り2分40秒にはハーツからWRのD・スミスへの46ヤードTDパスで34-0とし、この時点で試合をほぼ決めた。
今季、シーズン計2504ヤードのNFL新記録を樹立し、史上9人目の2000ヤードラッシャーとなったRBセイクワン・バークリーは、自身初の大舞台で57ヤードを獲得。ポストシーズンを含む今季の獲得ヤードを2504に伸ばし、98年のテレル・デービス(ブロンコス)の2476ヤードを更新するNFL新記録を樹立した。
MVPにはハーツが選ばれた。パス22本のうち2TDを含む17本を成功させて221ヤードを獲得し、ランでも第1Qの先制TDを含む11回のキャリーで72ヤード、ランで57ヤードを獲得。スーパーボウルでパス200ヤード以上およびTDを記録し、さらにランで50ヤードを獲得して得点を挙げたのは、49ersが85年にドルフィンズを破った試合のジョー・モンタナ以来2人目だった。「2年前は勝てずにむなしさが残った。そんな感情を経験したことで、自分の中に炎が燃え残った。勝ちたいという欲が大幅に高まった」と話した。
チーフスのQBパトリック・マホームズは第3、4QにTDパス3本を決めたものの、今季リーグ1位のイーグルス守備陣に6度のサックを浴びて完敗した。
就任4年目のニック・シリアニ・ヘッドコーチは、試合残り3分で早々と祝福のゲータレード・シャワーを浴びた。「これは究極のチームプレーだ。攻撃、守備、スペシャルチーム、全員が素晴らしいパフォーマンスを見せた。我々は勝つことだけを望んでいた。ディフェンスが優勝をもたらす。彼らが試合で違いをもたらし、攻撃のチャンスを与えてくれ、我々はやるべきことができた」ととくに守備陣を称賛した。
MVPに輝いたハーツのトレーディングカードも注目度はアップ。トレーディングカードの売買の動きを株の売買のようにチャートにして公表している「Sports Card Investor」でも、最も市場価格が上がったカードのランキングで、ハーツのカードが上位を独占した。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。