TOPPS社の「Chrome Update」に封入されたポール・スキーンズ投手(ピッツバーグ・パイレーツ)のデビュー・パッチ・サインカードは世界に1枚しかない1 of 1である。このカードがオークション「Fanatics Collect」に出品された。
3月6日のオークション開始から5時間で、最高入札額は320,000ドル(約4800万円)まで上がった。
スキーンズは2023年のMLBドラフトで全米1巡目指名を受け、パイレーツに入団。昨年5月にメジャー初昇格を果たし、11勝3敗、防御率1.96の成績を残した。オールスターゲームでは、野茂英雄(ロサンゼルス・ドジャース)以来となる新人の先発登板も果たした。ナ・リーグの新人王にも選ばれた。
このカードが話題になったのは、パイレーツ球団がこのカードを引き当てたファンに対して、カードと交換に
・来季から30年間のバックネット裏のシーズンチケット2枚
・スキーンズとの対面
・直筆サイン入りジャージー(ユニホーム)2枚
・本拠地PNCパークでの球団OBによるソフトボールゲームに出場
・春季キャンプ施設のパイレーツシティへのプライベートツアー招待
などを手にすることができる、という「懸賞」をかけたためだ。
ロサンゼルス近郊に住む11歳の少年が昨年のクリスマスに引き当てた、という。レデンプション(交換券)は、FANATICS社とTOPS社によって、PSAに持ち込みグレーディングで「10点満点」の最高評価を受けた後に、少年の元に届けられた。
この少年とその家族は、パイレーツ球団と、スキーンズの恋人で体操選手、インフルエンサーでもあるリヴィ・ダンさんからの「懸賞」を辞退。オークションに出品し、その価値を落札額で問うことになった。
「私はカードコレクターではありません。ただ、子供たちがトレーディングカードで、選手とのつながりを感じるのはクールだと思います。私が言えることは、このカードが彼らに希望とメジャーリーグへのつながりを与えてくれるかもしれないということです。私たちもかつてはそういう子供だったのですから」と、自身のカードについて語った。
オークション終了は3月20日の22時。「Fanatics Collect」 がこのカードで得た収益はすべて、歴史的な被害を受けた山火事の基金「LA Fire Relief Funds」に寄付される。
昨年 MLBとTopps のコラボで開始された「MLB デビュー ロゴパッチ カード」プログラムは、スキーンズのカードだけでなく、人気を集めた。ジャクソン・チョウリオ外野手(ミルウォーキー・ブルワーズ)のカードが105,000ドル(約1575万ドル)、ジュニオール・カミネロ内野手(タンパベイ・レイズ)のカードが66,000ドル(約990万円)で売買された履歴がある。
今回のオークションには、2022年の全米ドラフト1位で昨季、メジャーデビューした、ジャクソン・ホリデイ内野手(ボルチモア・オリオールズ)のデビュー・パッチ・サインカードも出品されており、こちらも高額で落札されることが予想される。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。